『分岐点』 古処誠二 | 鈴と空のブログ

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分岐点/古処 誠二
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13歳の皇国民
「自分の意思で殺した。後悔はしていない」
ミステリー史上、稀にみるその殺害動機。
鮮烈に胸を打つ、衝撃の結末!
双葉社55周年特別文芸作品
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


上にも引用した帯の文句、
「ミステリー史上、稀にみるその殺害動機」。


確かにミステリーの中でそう度々目にする動機ではないかもしれないけど、
ポイントはそこじゃないような気がした。

「動機」がどうこう言うんじゃなくて、
成瀬という少年自身、その生き方・考え方だとか。
「動機」もその中に含まれてはいるんだけど。


成瀬の言うこと、やることは少々鬱陶しかったりもする。
いつもギリギリのところまで張りつめている感じというか。
その頑なさや潔癖さには反射的に嫌悪感すら覚えたりもする。


だけど、それも成瀬という少年が根っから嫌な奴だとか言うわけではなくて、
戦争というもののせいでそうなるしかなかったという訳なんだろうな。
信じること、縋ることでしかいられなかったというか。