『クラウド』 樹林伸 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

クラウド/樹林伸
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僕は一人。君と話がしたい。
玉木つぐみは、社内不倫がこじれ出社拒否に陥っていた。
誰とも話さず部屋に引きこもり、何気なく始めたTwitterで
「LONESOMECLOUD」というIDの男と出会う。
どこの誰かもわからない相手だからこそ、

安心して何でもつぶやくことができたのだが……。
やがてつぐみの周辺で異変が起こり始める。
暴かれた本名、毎日届けられる薔薇、そして元恋人の死……。
カズトはいったい誰なのか、そして彼の狙いは――

君の“つぶやき”で人が死ぬ。
予測不能な罠、姿なき犯人、前代未聞の犯罪……そして衝撃の結末。

Twitterで出会った男から、突然自宅に大量の薔薇が届いた――。
暴かれた本名、住所、そして起こった殺人事件。
登録者1億人。
巨大ネットワークに潜んでいたのは、
楽しい話し相手か、優しい犯罪者か?

<見えない危機>を描き切るノンストップ・ミステリ!
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


ものすごくあっという間にサラッと読めていいんだけど、
帯で「ミステリ」と謳ってるんだ。


だとするとあのオチは微妙じゃないかな……、なんて思ってしまう。
途中で何となく想像できちゃう内容ではあるんだけれど、
反則スレスレではなかろうか、と思ってしまうオチ。


時間帯に関係なく間をおかない返信、知られていた住所や携帯番号、
連日届けられる高額なプレゼント、
実際に起こった殺人事件とそれへの関与を思わせるコメント、
などなどどんどんエスカレートするカズトの不気味さ、気持ち悪さだとか。


現実にもTwitterから騒ぎになった例があったけど、
(本人にしてみれば)軽い気持ちで呟いたことをきっかけに
本名やら住所やら顔写真やら、とにかくありとあらゆる個人情報が
あっという間に世界中にばら撒かれる恐怖だとか。


ネットの恐怖はウイルス・ハッカー・クラッカー対策だけじゃないんだよな。
残念ながら悪意はそこら中に。


他者への攻撃と取られそうなことや余計な一言、
ブログでも他でも発しないように気をつけてはいるつもりだけど
「ここまでなら大丈夫だろう」という私の基準と
訪れてくれた人(受け取る側)の基準が同じだとは限らないわけで。


そういう現実味のある恐さみたいなものを感じられたりして
ミステリだと言われなければ、オチさえ気にしなければ
「面白かった」と素直に言えたかも。