『白砂』 鏑木蓮 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

白砂/鏑木 蓮
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大学を目指し、働きながら予備校に通う20歳の女性、
高村小夜が一人暮らしのアパートで何者かによって殺害された。
下谷署の目黒は相棒・山名と一緒に捜査にあたる。
小夜のアパートには頻繁に出入りする
中年男性の姿が目撃されており、
口座には何回かにわけた計100万近くの振込があることから
援助交際の相手かとも推察された。
しかし、対象者の性格、心の動きに捜査の主眼を置く目黒は、
小夜の身辺を調べるにつれ、
そのいまどきの若者には珍しい清廉潔白な有りようと
性的なにおいを結びつけられずにいた。
そこに、小夜が趣味としていた短歌でとある賞を受賞した、
その記念パーティーの席上で、小夜に接近した男性の存在が浮上。
鍵は小夜が歌に詠んだ故郷にあるとして、
目黒と山名は京都府の山村に急行した。
小夜は父母をすでに亡くしていたが、父方の祖母が存命だった。
しかし、祖母は現地の駐在を前にしても、
頑なに小夜の存在を否定する。
過去にこの村でなにかがあったのだ。
小夜に近づいていた男とこの山村の関係は?
その男が殺したのか?
殺害現場に唯一残されていた装飾品のペンダントは、
遺骨を中に混ぜた、メモリアルオブジェクトだった。
その特殊な残留品からも、真相へつながる糸をたぐっていく。
――――― Amazonより


個人的評価 : ★★★★☆

「白砂」ってそういうことか。

最初に分かる意味も結構ヘビーだと思ったんだけど
もう一つの「白砂」も明かされて、
それが何をもたらしたのかが分かるとますますしんどい。


彼女が抱えてた秘密というのも、またしんどいし。
やったことはどうしたって許されないこと。
ただ、それにも原因があって。


被害者の祖母の頑なな拒絶も、
理由を知れば分からないでもないけれど、
それでもやっぱり刑事らの言うように
被害者が余りに哀しくて、これまたしんどい。


そんな「しんどい」尽くめの中で、
事件を追う刑事2人のやり取りの軽さは。


あれはどうなんだろう。
重苦しい中の息抜き的に効いているのか、
浮いているのか微妙なところ。


その軽いやり取りも含めて、
個人的には嫌いではないんだけど。