『死者の体温』 大石圭 | 鈴と空のブログ

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死者の体温/大石 圭
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史上最悪の連続大量殺人


トラウマもない
悪意もない
動機もない


今も世界は溶け続けている
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


また不思議な空気を持つ1冊だった……。


やってることはとんでもない。
恨みがあるわけでもない人間を平然と殺して隠す。
しかも一度でなくそれを何度も何度も繰り返して。


そんなとんでもないことをしでかしているのに、
それに見合うだけのエネルギーを感じないというか。
ものすごく淡々とサラッと流れていく感じというか。


そうやって何の躊躇いもなく次々と人を殺す姿と
病気と怪我で傷ついて弱った野良犬を保護して面倒を見たり
危機に瀕する野生動物の保護のために何度も寄付をする姿。

そのアンバランスな感じがどうにも落ち着かない気分に。