2010年8月に読んだ本。 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

8月の読書メーター
読んだ本の数:30冊
読んだページ数:10232ページ

虚構金融 虚構金融
初めましての高嶋さん。サスペンスとのことなんだけど、あまりハラハラしなかったな。話が大きすぎてピンと来なかったせいだろうか。
読了日:08月01日 著者:高嶋 哲夫
思い出探偵 思い出探偵
タイトルや“ハートフルストーリー”って言葉から想像したより陰惨な事件も書かれてるし、探す思い出もヘビーだったりするんだけど、なかなか好き。浩二郎を筆頭にみんな素敵。行く先行く先であっさり信用を勝ち取ったり、簡単に協力してもらえたりで少々拍子抜け感があるのも確かだけど。探偵社と周辺の人だけじゃなく、ほんの数シーンしか出てこない謙さんとかもいいな。
読了日:08月02日 著者:鏑木 蓮
テネシー・ワルツ テネシー・ワルツ
なかなか読めなかったな……。2日掛かった。これと言って苦手・嫌いな点があるわけじゃないんだけど、逆に好き!って言う点もなく。父親の事件もさほど効いてたとは思えないしな……。ただ読んだだけ、という感じだろうか。
読了日:08月03日 著者:望月 武
アクセス アクセス
“怖い”というより“気持ち悪い”。サーバーの中の世界で起こってることも、そこから出てきたものたちのすることも。嫌いじゃないけど、気持ち悪い。あの最後はまぁ「そうなるだろうな」という感じだけど、そうなってしまうとサーバー内の世界はどうなっちゃうの?と。可奈子の説得のためとは言え、「残って云々」のくだりがなければ素直に良かったと思えたかもしれないけど。喜多川が野放しのままじゃ危なかろうに。
読了日:08月04日 著者:誉田 哲也
非常線 非常線
何度も何度も捕まりかけては何とか逃れて、の繰り返しにドキドキもするけど、疲れちゃったりもする。あいつはどう考えても怪しいよな、と思った人が予想通り悪者だったり、あの子との約束はほったらかしのままなのが少々残念だったりと気になることもあるんだけど、一気に読んじゃうくらいには引き込まれる。
読了日:08月05日 著者:松浪 和夫
COLORS―カラーズ COLORS―カラーズ
一番は『銀の匙キラキラ』。にしても感想を書くのが難しい1冊だな。なんせ短いからどことなく物足りないような。かといってそれぞれ長篇にすればもっと楽しめたか、というとそれも違う気がするし。あっという間に読めちゃう短さってことで苦手意識の強くある時代物(『金色の涙』)もサラッと読めたのは好かったのかもしれない。
読了日:08月06日 著者:藤田 宜永,宮下 奈都,松樹 剛史,豊島 ミホ,池永 陽,永井 するみ,宮本 昌孝,水森 サトリ,関口 尚,朝倉 かすみ
明日の空 明日の空
差別だとか命だとか企みなんかも描かれてはいるし、意外な人のつながりもある。けど、わりとあっさり。貫井さん=ずっしり、な印象だったので少々ビックリ。あっさりではあるけど、雰囲気(空気)は好き。アンディや山崎の言うことも、少しくすぐったかったりするんだけど、でも好き。明日の空がすっきり晴れればいいな。
読了日:08月07日 著者:貫井 徳郎
ラガド 煉獄の教室 ラガド 煉獄の教室
私の好みではなかったみたい……。まず地下講堂での描写に微妙な違和感。読んで行くうちに二転三転で「面白いかも」。なのにさらに進むとまた「ん?」。特に最後がまるですっきりしない。「結局何なの?」ってことだ。○○とかブルース・リーとかラガドとか。
読了日:08月08日 著者:両角 長彦
ザ・ベストミステリーズ2006 (推理小説年鑑) ザ・ベストミステリーズ2006 (推理小説年鑑)
今までに読んだこのシリーズの中で一番困った。頭から三篇、ピンと来ないのが続いちゃって挫折しそうになってしまった。以降も「ピンと来ない」「苦手」がチラホラ。道尾さんのと伊坂さんのは再読になるけどやっぱり好き。他には田中さんのも好き。ベストミステリーズで何度か読んだこのサックス奏者・氷見のシリーズは追いかけて読むかもしれない。
読了日:08月09日 著者:
Q&A Q&A
個人的には最後のパートはないほうが良かったような……。母親の崩壊と暴走はともかく、「未来」って。あそこだけ何だか異質で浮いちゃってるような気が。そこまではわりと面白かった。パニックに陥った群集の恐怖も感じた。タクシー運転手の話す説も、怖いけど無い話じゃないかも、と思ってしまうし。となるとやっぱり最後がどうも……。
読了日:08月10日 著者:恩田 陸
俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い 俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い
「SLAPP」という言葉自体、これを読むまで知らなかった。しかもそれが、メディアだけでなく一民間人にもいつ降りかかるかもしれない問題だとは。
読了日:08月11日 著者:烏賀陽 弘道,西岡 研介
完黙 完黙
短篇集だったのか。そのせいもあって随分サラッと読める。最初の『東京から来た男』と最後の『師匠』が好き。一見ヒーローとは程遠いけど正義を貫くおじさん、が好きなんだろうか私は。“正義”と言っても誰の目から見てもわかりやすい、純粋なまっすぐなものではないんだけど。
読了日:08月12日 著者:永瀬 隼介
サンザシの丘 サンザシの丘
なんだかバタついてたような……。頭の中でざっくり削って“あらすじ”にすると面白いのに、実際に読んだ印象はさほど……。それぞれ面白くなりそうな要素をたくさん盛り込んで、それを綺麗にまとめ切れなかったという感じだろうか。
読了日:08月13日 著者:緒川 怜
主よ、永遠の休息を 主よ、永遠の休息を
一気に読んじゃうんだけど、読み終わった後精神的に少々落ち込む。十四年前の事件が(現実のとある事件を想起させることもあってなおさら)厭な気分になる内容だし、彼女の迎える結末があまりにも哀しいので。迎える結末は同じでも、せめてあの事実を思い出さないままであれば少し(本当にわずか)はマシだったかも知れないのに。そうなると理由も変るだろうけど、あれじゃ辛すぎるだろうに。チカちゃん、少々デリカシーに欠けるけどいい子なんだな。
読了日:08月14日 著者:誉田 哲也
ダーティー・ユー ダーティー・ユー
いじめは犯罪だ、というのには大賛成。やってることは暴行傷害恐喝脅迫……。アメリカでの生活があるとは言え、中学生がいきなり弁護士を雇うというのは少々驚いたけど、それでも一気に読んだ。いい友達・家族がいるというのも納得だけど、そもそもユーが強いんだろうな。もし自分なら、と考えるととても真似できない。元いじめられっこ(肉体的な暴力なんかはなかったけど)としては自殺に関して担任・岡本の言うことは少々痛い。その言い分も、今となってはわかるけど、渦中に居るとそんなこと考える余裕もなかったりするものなのに…、って。
読了日:08月15日 著者:高嶋 哲夫
核の柩 核の柩
なるほど、タイトルはそういうことか。最初は『24』みたいだな、なんて思いながらもグイグイ読んだ。後半も刻々と変る状況に引き込まれた。ただ、中盤どうも乗れなかった。とんでもなく緊迫した状況なはずなのに、あまり緊迫感を感じないと言おうか……。現場のヒーローとの対比でキャリアが判りやすく最低な奴だったな。
読了日:08月17日 著者:松浪 和夫
深層 深層
医療過誤事件の『針』が一番面白かった。ヒデノリ先生のあの結末は残念すぎた。患児の手の切断は、色々なことが重なっての結果だとは言え、ヒデノリ先生にもミスがあったことは消えないけど、事故(事件)発覚後の対応なんかから考えれば、きっといい医師になったろうに。そういう人だからこそのあの結末なのか、という気もするけど。「ヒデノリ先生のようになる」というあの後輩の彼の誓いはどうなるだろうな。結局無関係なフリを通すわけだから。心に抱えたもので罰を受けたとしていいものか。
読了日:08月18日 著者:朔 立木
確信犯 確信犯
殺人事件の真犯人を無罪放免にした裁判官とその事件で父を喪った遺族、というのは面白かった。司法改革に関しても興味深いことが書かれてた。あの人のしたことには驚きもあった。ただ、これまでに読んだ『雪冤』『罪火』と比べると少々弱いような……。それだけ期待値が上がってしまっていたということか。
読了日:08月19日 著者:大門 剛明
救命拒否 救命拒否
爆破事件の真犯人、その動機に関してはどうってことないな、なんて思ってしまう。最後の「裏切られた」云々も想定内。ただ、「トリアージ=命の選別」というテーマはとても興味深い。無関係な立場で想像するだけで、その想像を放棄したくなるくらい難しいんだから、その選別を強いられる医師や救命士の精神的負担はとんでもないものなんだろうな。
読了日:08月20日 著者:鏑木 蓮
キョウカンカク (講談社ノベルス) キョウカンカク (講談社ノベルス)
被害者が選ばれ、焼かれ、それぞれ異なる場所に遺棄された理由は面白かった。「面白かった」って言葉が適切かどうかは置いておいて。(多分)初めて読んだな、あんな動機は。山紫郎の迷走は想像通りだし、キャラクターとしてもさほど好きだとは思えず。声の色で犯人を知り、風の形で現場を探るとなると、ミステリーなのは動機に関する部分くらいか。
読了日:08月21日 著者:天祢 涼
風が吹けば 風が吹けば
タイムスリップした先である84年・80年代を「懐かしい」と思えればもっと楽しめたんだろうか。「つまらん」とまでは言わないんだけど、タイムパラドックスだとかもわりとありがちな感じで。現在に戻ってからも想像とあまり違わず。想像してたよりよりもあっさりしてたくらいだろうか。後々一番印象に残るのは「久保田って一体何者?!」ってことかもしれない。
読了日:08月22日 著者:加藤 実秋
越境 越境
何が合わなかったんだろう。設定も展開もキャラクターも嫌いじゃないはずなのに、何故か「面白い」という言葉が浮かんでこなかった。
読了日:08月23日 著者:永瀬隼介
アフガンの風 アフガンの風
民族問題、難民と難しいことも描かれてるので取っ付きにくい印象もあるんだけど、次々にトラブルが起こったり巻き込まれたりで先が気になって一気に読んだ。そういう結末か……。あの展開も予想はしてたけど、そちらの人だとは思わなかった。あの人が狙われて、彼がまた救うのかと思ったのに。
読了日:08月24日 著者:高嶋 哲夫
ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
アキラやシゲルのキャラクターはわりと好きだった。日本人だけが残された地球で選ばれた者だけが入学できる学園でのとんでもない生活、という設定も面白かった。なので読んでる間はそれなりに面白い。けど、全部読み終わった後にさほど好きだという印象が残らないのは何故だ。なんだか勿体ない、って感じだろうか。
読了日:08月25日 著者:恩田 陸
回廊の陰翳 回廊の陰翳
前に読んだ『一応の推定』がかなり好きだったために期待値が相当上がってたことは否めない。けど、それにしても(本当に同じ方の書いたものかってくらいに)読みにくかったな……。友人の死の真相に関しても想像の枠を超えちゃ居ない。刑事のキャラクターも好きになれそうな気はしたんだけど。あまりにお喋りだ(色々と情報を提供してくれる)からもっと賢了たちと共闘するのかと思ったんだけど。賢了たちの流れと刑事たちの流れがどうも綺麗に纏まらない感じも。
読了日:08月26日 著者:広川 純
本当のうそ 本当のうそ
1編あたりが短い上にそんなにドロドロヘビーなものもないので、とても読みやすい。のは、いいんだけどどうも印象も弱い。あまりに劇的な嘘、よりも日常生活の中(近いところ)にある嘘、ということなんだろうか。苦手・嫌いと言うのも取り立ててないんだけど、逆に面白かった!・好き!というのもなく。
読了日:08月27日 著者:石田 衣良 他
灼夜 灼夜
何だかどうも上滑り。最初から最後まで全部読みはしたんだけど、頭にしても心(気持ち)にしても、上の方を滑っていっちゃって全然入ってこない。色々と唐突な感じすると言うか何と言うか。要は今作と私の相性が悪かったって事なんだろうか。
読了日:08月28日 著者:永瀬 隼介
Story Seller〈2〉 (新潮文庫) Story Seller〈2〉 (新潮文庫)
具体的にどれだとは言わないけど、苦手寄りな(好みじゃない)ものもある。特に好きだったのは本多さん、有川さん。本多さんのは弥生がとても小学生らしくはないけど、家族3人の雰囲気がとても好い。そんな本多さんのとは逆に、有川さんのは厭な気分を味わいながらも面白い。1の記憶も鮮明なうちに読めばもっと楽しかったのかな。
読了日:08月29日 著者:
イントゥルーダー イントゥルーダー
突然現れた存在すら知らなかった実子のために戦う父、と言うのは1つ前に読んだ『アフガンの風』と似てる。専門的な部分にピンと来ないものもある。裏切りが想定内の人もいれば、中途半端に思える人もいる。あの最後はあんまりじゃないか……、なんて思ったりもする。けど、一気に読んじゃった。
読了日:08月30日 著者:高嶋 哲夫
月光 月光
あー……、だめだ……。というのが正直な感想。何がって、亡くなった姉がどうにも嫌いで。彼女が払った犠牲もそれを隠し通した精神力も相当なものだというのは解るんだけど、どうにも好きになれない。最後にとった行動がますます好きになれない。亡くなった本人含め、周りのみんなが皆傷ついて、誰も救われないまま。もうグッタリ。
読了日:08月31日 著者:誉田 哲也

読書メーター

とんでもない暑さにグッタリしてたわりには読めた。


でも(特に下旬)、素直に「面白かった!」ってのが少なかったのは

やっぱり暑さにやられたせいだろうか。


鏑木さんの『思い出探偵』あたりが好きだった。