『救命拒否』 鏑木蓮 | 鈴と空のブログ

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あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

救命拒否/鏑木 蓮
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「私にブラック・タグをつけろ」
瀕死の救命医はなぜ、自ら死を選んだのか。
乱歩賞作家が問う命の選別。


講演中の救命医が爆破死傷事件に巻き込まれた。
救急救命士に向かい、彼が言う。
「私にブラック・タグをつけろ」
その意味は死。
大阪府警が犯人を追う。
しかし二転三転する本ボシ。
若手刑事は、事件の裏側に隠された真相に辿り着けるのか。
乱歩賞作家が書き下ろしで問う、喪わされた者たちの悲しみ。
医療トリアージ=命の選別をテーマに据えた骨太エンターテインメント。
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


爆破事件の真犯人だとかその人間の動機だとか、
そういった部分はあまり好きじゃない。

最後に書かれてる「裏切られた」云々の部分も
わりとありがちというか……。


ただ、トリアージ=命の選別、というテーマは面白かった。


“トリアージ”って言葉は
江口洋介さんのドラマで初めて聞いて覚えた。
そのドラマを見てるときにも感じたけど、
やっぱり凄く難しいテーマだ。


「まだ生きてるのに」って家族の気持ちも充分想像できる。
けど、助けられる命を一人でもたくさん、という
医師・救命士の言い分も尤もな気がする。


無関係な立場で想像するだけでもこれだけ難しい。

もし実際に自分の家族にブラックタグが付けられたら。
逆にレッドタグを付けられた家族の傍で
助かる見込みの低い患者に掛かりきりになってる医師を見たら。


命の選別、というのは移植の順番なんかでもそうだろうけど、
テーマとしてとても興味深い。