- 思い出探偵/鏑木 蓮
- ¥1,890
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小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……
わずかな手がかりから「思い出探偵社」の仕事は始まる。
もう一度会いたい人があなたにはいますか?
乱歩賞作家によるハートフルストーリー
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
タイトルや“ハートフルストーリー”って言葉から
温かいほのぼの系のものを想像したんだけど、
想像したより陰惨な事件も書かれてるし、
探す思い出もヘビーだったりする。
戦後の忘れたい出来事だったり、両親を巻き込んだ殺人事件だったり。
けど、なかなか好き。
キャラクターに因るところが大きいのかもしれない。
浩二郎を筆頭にみんな素敵。
行く先行く先であっさり信用を勝ち取ったり、
簡単に協力してもらえたりで
少々拍子抜け感があるのも確か。
探偵、しかも“思い出探偵”なんて聞きなれない仕事なのに
「目がいい」って理由で味方になってくれたりするので
最初は「ん?」なんて思うんだけど。
でもまぁ、それでもいいか、と思う。
上には「素敵」って書いたけど、
厳密にはそれもちょっと違うかもしれない。
そういう素敵な人だって描かれてはいるけど、
読んでて「浩二郎さん、素敵!大好き!」って
積極的に強く思う、というよりは
拍子抜けする部分なんかが気にならなくなってくる、
という感じだろうか。
「それが浩二郎さんか」って思えてきちゃう。
探偵社と周辺の人だけじゃなく、
ある1章のほんの数シーンしか出てこない謙さんとかもいいな。