『思い出探偵』 鏑木蓮 | 鈴と空のブログ

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あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

思い出探偵/鏑木 蓮
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小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……
わずかな手がかりから「思い出探偵社」の仕事は始まる。


もう一度会いたい人があなたにはいますか?


乱歩賞作家によるハートフルストーリー
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


タイトルや“ハートフルストーリー”って言葉から
温かいほのぼの系のものを想像したんだけど、
想像したより陰惨な事件も書かれてるし、
探す思い出もヘビーだったりする。
戦後の忘れたい出来事だったり、両親を巻き込んだ殺人事件だったり。


けど、なかなか好き。

キャラクターに因るところが大きいのかもしれない。
浩二郎を筆頭にみんな素敵。


行く先行く先であっさり信用を勝ち取ったり、
簡単に協力してもらえたりで
少々拍子抜け感があるのも確か。


探偵、しかも“思い出探偵”なんて聞きなれない仕事なのに
「目がいい」って理由で味方になってくれたりするので
最初は「ん?」なんて思うんだけど。

でもまぁ、それでもいいか、と思う。


上には「素敵」って書いたけど、

厳密にはそれもちょっと違うかもしれない。

そういう素敵な人だって描かれてはいるけど、

読んでて「浩二郎さん、素敵!大好き!」って

積極的に強く思う、というよりは

拍子抜けする部分なんかが気にならなくなってくる、

という感じだろうか。

「それが浩二郎さんか」って思えてきちゃう。


探偵社と周辺の人だけじゃなく、
ある1章のほんの数シーンしか出てこない謙さんとかもいいな。