- 鬼の跫音/道尾 秀介
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心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる。
――― もう絶対に逃げ切れないところまで。
一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。
ミステリと文芸の壁を軽々と越えた期待の俊英・道尾秀介、
初野短篇集にして最高傑作!
一人の作家から、これほど多彩な作品が生み出されるものなのか―――
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
「あら、期待しすぎた?」と思いながら読んでた。
6編収録されてるうちの3作目まで。
面白いんだけど想定の範囲内、というか。
4作目は前にアンソロジーだかで読んだことのある
「箱詰めの文字」。
全部読んでも230ページ弱なのでこれももう一度読んだけど。
5作目・6作目が面白かった。
5作目の「冬の鬼」は火事に遭った女性の日記を
1日ごと遡って読んでいくかたち。
最後の一文(書き始めの日の最後の文)がいい。
歪さというか狂気というか。
最後の「悪意の顔」が一番好きかもしれない。
同級生からの嫌がらせに苦しむ少年と
キャンバスに何でも閉じ込めることができるという女性の話。
とある真相を臭わせる一文で終わるんだけど、
その前の文でページが終わって、ちょうどその一文だけが最後のページ。
それもなかなか良かった。
最後のページをめくって2行のその一文にゾクっと。