- 黒い家 (角川ホラー文庫)/貴志 祐介
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第4回ホラー小説大賞受賞作
人はここまで悪になりきれるのか?
人間存在の深部を襲う戦慄の恐怖。
巨大なモラルの崩壊に直面する日本。
黒い家は来るべき破局の予兆なのか。
人間心理の恐ろしさを極限まで描いたノンストップ巨編。
「ホラー小説界にまたまた出現した今世紀最大の銃弾!」
<全選考委員> 激賞の渦!!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
想像してた「ホラー」とはちょっと違った。
でも面白かった。
「悪」の正体自体はわりとありがちで大した驚きでもないから、
後半色々なことが判って色々なことが起こり始めてから
面白さもぐんと増した感じ。
面白いんだけど、
眉間に皺が寄っちゃう感じも何度か。
動物虐待の描写は元々嫌い(苦手)なのに…。
学校の飼育小屋も袋の中身も残された猫たちの体も
想像したくないのに頭に浮かんじゃって。
殺人の方にしても手口は相当に酷いもので、おまけに
縛り上げた人間にその行為を見せ付けるというのも気持ち悪いし。
そもそものきっかけになった死の真実は痛ましいし、
「悪」がこれまでに犠牲にしてきた人たちのことを考えても
ほんとにいやな気分になる話。
それでも一気に読ませるんだからすごいんだろうな。