- 愚行録/貫井 徳郎
- ¥1,785
- Amazon.co.jp
ほら、人間という生き物は、
こんなにも愚かで、哀しい。
数多のエピソードを通して浮かび上がる、
人間たちの愚行のカタログ
『慟哭』 『プリズム』に続く、第三の衝撃
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★★
4つ寄りの5つ。
最初に娘を養育放棄で殺した母親の逮捕を伝える記事、
後は一家4人惨殺事件の関係者へのインタビューと
“妹”から兄への語りかけが交互に。
その3つがどう繋がるんだろうかと、一気に読んだ。
全部が繋がったときには「ほぉ」と思ったんだけど、
後味が悪いというか、暗い気分になる。
それに関わる人間が誰も彼も何かしら持ってる。
悪意とか憎しみとか妬みとか。
それを自覚してるかどうかは別として。
殺人事件の被害者となったのは
早稲田卒でスマートなエリート夫、
慶応卒で綺麗で人当たりもいい妻、
可愛らしくて出来のいい子供たち、という
何の問題もなく恨みを買うはずもない申し分のない家族。
最初はそんな風に見えてた家族(というよりは夫婦)が
語り手が変わると印象も変わってくる。
その変わっていく様もなかなか面白かった。
でもまぁ全くもって楽しい話じゃないけど。
3つが全て繋がってて切り離して考えられはしないんだけど
単純に読んでて一番気分悪いのはやっぱり「兄妹」の部分かな。
それがあって最初の記事を読むとなお気分が悪い。