『さよならの代わりに』 貫井徳郎 | 鈴と空のブログ

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さよならの代わりに (幻冬舎文庫 ぬ 1-2)/貫井 徳郎
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予想外の結末と、希望をつなぐ別れ。
切なさが込み上げるミステリー。


劇団≪うさぎの眼≫の看板女優が、上演中に控え室で殺害された。
事件と前後して現れた、真犯人の存在をほのめかす謎の美少女。
駆け出しの僕は、彼女と共に事件の真相を追い始める。
彼女に振り回され、時折見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、
僕は、その不思議な魅力に次第に惹きつけられていく。
しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―――。


「またね」、
その凛とした別れの言葉の切実さに、涙がこぼれました。
――― 長谷川京子 ―――


――――― 2004年版 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


感想書くのにちょっと悩む。


全体の雰囲気としては嫌いじゃないんだけど、
「面白かった!」とか「好き!」って言い切れるポイントが
長谷川京子さんの言葉にもある「またね」って別れぐらい。


終わり方が確かに予想外で。
全部が綺麗に説明つけられるものだとばっかり思ってたのに。
「あの謎は結局そのままなの!?」ということで。


殺人事件が起こっててその謎を追う、
ということではあるんだけど
事件そのものに関してはそんなに書くことがない。


真犯人の正体にしても指紋の謎にしても、
そんなに驚くようなものじゃないし、
その動機にしてもイマイチぐっと来ないし。


それよりも「謎の美少女」の隠す「秘密」の方が気になって。

彼女自身が言う通りなのか、
劇団の仲間が言うように“僕”が騙されてるのか、
だとすればどうして彼女は色々なことを知ってるのか…。


その「秘密」が大きく絡んでくる最後の「またね」。
これが切ないというか、強いというか…。


事件の真相とか何だとかいうよりも
この「またね」のために書かれたとまで言っちゃうと言いすぎか?
でも少なくとも私はこの「またね」があったことで
最終的な評価が上がったんだけど。