コックリさんダメだよね!(14)
八十九です。
前回のお話はこちら
この時は怖さと不思議が同居していました。
我々三人の指は十円玉の真上20㎝のところでひっつき、
おまけに十円玉が移動すれば三人の指も同じ軌跡で動く・・・
佐渡の顔には最大限の緊張が見て取れます。もし鏡があれば、
私も佐渡と同じような表情だったに違いありません。
「このまま指がはずれれなければどうしよう?」
「罰が当たって死ぬのか?」
「佐渡の母親が帰ってきて無理やり指をはずされたら
助かるのだろうか?」
「なぜ、こんな事をやっているのだろうか」
などと私は考えていましたが、多かれ少なかれ誰もが
そんな想像をしていたと思います。そんな中で、
ひらめきと直感の人である尾長も無口になっていました。
いつものように軽口を言わなくなり、そして珍しく慎重に
理性的な態度で言ったのです、「とにかく質問せなアカン」と、
我々に空中守護霊さんを続けるように促したのです。
私はビビりなのですが、意を決して聞いてみました。
「本物の霊なのか?」と・・・
聞かなきゃ良かったと思いました。
やっぱり霊は来ていた・・・みたいな気持ちと、
なんやそれ?みたいな気持ちが交叉しました。
「騙された?」と思いながらも十円玉の
真上で指は固定されています。それだけではありません。
十円玉が!!!
こういう時の恐怖は文学的表現の方が良いのでしょうが、
恐怖が頂点を超えていると「諦めと絶望」しかなく、
情緒的な心情など一切ありませんでした。
この時の感情は、おそらく四人とも同じです。
「じゃー、お前は誰やねん」です。
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