ランニング(スプリント)について② | 順大陸上部混成ブロックコーチ林田章紀のブログ
順天堂大学陸上部コーチの林田あきのりです。


昨日はランニングトレーニングを考える上で
「①速く走ること」について書きました。

昨日ブログ
ランニング(スプリント)について①


今日は
「効率良く移動すること」
について書いていきたいと思います。


②効率良く移動すること


効率良く移動することには
2つのキーワードがあります。

無駄遣いしない走り
コスパの高い走り


無駄遣いしない走り」で
よく指導の中で使われる言葉

楽に、ラクに・・・

というところにフォーカスしています。


「楽に、ラクに」
コーチが口で言うのは簡単ですが・・

実際、楽に走れていない人からすると
わからない感覚とだと思います。

・・・というか、楽して速く走るなんて意味がわからない、楽して走ったら遅くなるだろうと思っている人もいると思います。(実際、僕もそうでした。。笑)



僕の解釈では

楽に、ラクに=エネルギーを使わない走り

エネルギーを使わない走り=無駄使いのない走り


要するに、
「ラクする」するというよりは
無駄遣いしないということがキーワードになってきます。

無駄遣いが多い走りの人の特徴
使用する筋肉以外にも力が入っている(力み)
・地面を叩いている(無駄に音がする)
・足が流れ過ぎている
・腰が引けてしまっている
・手と足のタイミングがあっていない
・大きな筋肉を使えない
・スタートから足を回し過ぎ
・慣性を使えない
・動きに繋がりないetc...


まだまだ、ありますがこのくらいにしておきます。


まぁ、これに気づいている人は
沢山いると思いますが・・・笑


でも、単に
「無駄遣いしない走り」で
速く走れるのかというと
そうじゃないと思っています。

出てくるのが「コスパの高い走り」です。


飲食店で例えると・・・

①美味くて高い店
②美味くて安い店
③不味くて高い店
④不味くて安い店


皆さんはどの順番で行きたいですか?

相当お金に余裕がある人でなければ
コスパは
②→①→④→③

だと思います。


飲食店の味・・・速さ
値段・・・エネルギー

値段が安くも美味しくなければ意味がない。

味と値段を両立させることが
重要になりますよね。


無駄をいくら削ったところで
速く走れなかったら意味がありません。


また、
走る距離によって効率良く移動する
「動かし方」
だけでなく
力の使い方を変える必要が
あると思っています。


①100mは強くて接地時間は短い力
②400mは軽くて設置時間は長い力
③200mは①と②の中間より100mよりの力


超ざっくりいうとこんな感じです。
これに動きの大きさも加わってくるので
ちょっと複雑になりますが


このあたりの話は
ちょっと感覚的な部分もあるので
これが絶対正しいというのはありませんが


どの距離も速く走れる選手は
効率良く移動するという意味で
「無駄がなく、コスパが高い走り」をしている言えると思います。


十種競技でいうと
中村明彦選手(僕はランニングマシーンと言っています。笑)

彼は100mを10秒6台で走り、
1500mを4分08秒で走る
効率性の高いランニングスキルを持っています。

そして、十種競技の世界チャンピオンである
「アシュトン・イートン選手」
100m10秒21、1500m4分14と
世界一の効率性の高いランニングスキルを
持っている選手だと思っています。



「効率良く移動する」
という視点を持ってトレーニングをしていけば、必ずどの距離でも速く走ることはできるようになると思います。




次のブログでは
ランニングの分析の仕方について
書きたいと思います。