「Cu-Bop acrros the border」2017年/102分 ※「Cu-Bop」世界公開版
監督・撮影:高橋慎一
脚本:高橋慎一・伊賀倉健二
編集:遠山慎二
整音:永田一直
ライン・プロデューサー:伊賀倉健二
製作:カミ―タ・レーベル(高橋慎一・二田綾子)
出演:セサル・ロペス&ハバナアンサンブル
アクセル・トスカ、アマウリ・アコスタ、ルケス・カーティス
ロランド・ルナ、アデル・ゴンサレス
ナレーター:テルマリー・ディアス
内容紹介
革命前、キューバとアメリカのジャズ・ミュージシャンは活発に交流し刺激し合っていた。タイトルの「キューバップ」は、それを象徴する1940年代末期の言葉だ。
しかし1959年のキューバ革命で社会主義政権が発足すると、両国は国交を断絶するに至り、音楽的交流も途絶えてしまう。
それから半世紀―。
キューバの卓越したサックス奏者、セサル・ロペスは、教育を重視する革命政府の下で、後進の育成に携わりながら、自らのバンド「ハバナ・アンサンブル」の演奏活動をしている。メンバーは口をそろえて「いつかジャズの本場NYに行って刺激を受けたい」と言う。
一方、無名の天才ジャズピアニスト、アクセル・トスカは海外ツァーを機に米国へ移住。NYで貧乏生活をしながら、音楽漬けの日々を送っている。
そんな2人を引き合わせ、政治的な壁を乗り越え(時代はまだキューバと米国が国交を回復する前だった!)ハバナで共演させ、レコーディングライブを実現させる、という途方もなく無謀な企画を立てたのが、高橋慎一監督。
彼は写真家兼ライターとして90年代からキューバに通い、すでに数冊の著書もあるほか、2000年からはキューバ音楽のレーベルを二田綾子氏と運営し、CDの製作もしてきた。
本作に登場するミュージシャンたちは、みんな昔からの彼の友達-。
だから彼は無関心でいられなかった。敬愛する友人たちを取り巻く音楽環境の変化に。
こうして、歴史的にも音楽的にも貴重なドキュメンタリーが生まれた!
★Marysolより「ワールドプレミア上映」のご報告(2017年11月5日)
本作の原型となったドキュメンタリー映画「Cu-Bop」。その製作に際し、クラウド・ファンディング立ち上げの時から、細やかながら応援を始め、完成後のお披露目(2015年2月)や、渋谷アップリンクでのトークショー付き上映に参加したのは「孤軍奮闘する監督を支えたい」との思いからでしたが、幸いにも「全くの杞憂」に終わりました!
というのも、「Cu-Bop」の評判は瞬く間に拡散していき、渋谷アップリンクでの上映は異例のロングランを記録! 人気は日本各地に飛び火し、海外の映画祭でも大好評。遂に《映画をバージョンアップして世界公開を目指そう》という展開に!
そして先週。待ちに待ったワールドプレミア上映に行ってきました!
その第一印象は:「見違えた!」
テルマリー(キューバの女性ラッパー)のナレーションやニュース映像が加わったことで、作品に「歴史」という補助線が引かれ、より分かりやすく、幅広い層にアピールする内容になりました。
その分、奔放な印象は薄まったかもしれませんが、それは演奏シーンが補って余りあるから大丈夫。
政治の壁を乗り越えて、人と人を結ぶ音楽のパワー、ジャズの奔放な歓喜が、以前にも増して強く伝わってきました。
上映後、“問題児”アクセル・トスカが登場し、演奏で自己紹介をしてくれたあと、
監督と二田綾子氏との長年に渡る(彼が無名時代からの)友情に深い感謝の意を表明。
監督とハグを交わしました。(監督の目が潤むのを私は目撃しました!)
私もサポーターのひとりとして、この作品の成長と飛躍を見届けることができ、本当に幸運でした。
感動的な「ワールドプレミア上映」をありがとう。
来年の展開が楽しみです。