エドムンド・デスノエスの近況 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

今年10月に83歳を迎えるエドムンド・デスノエスは、小説「低開発の記憶」の著者にして、同映画の脚本を手がけた作家。1979年に亡命し、今はニューヨークに住んでいます。
 拙ブログにも時おり登場しますが、久しぶりに連絡がとれました。
それによると一番最近の彼の活動は、イギリス人の若手写真家とのコラボレーション。
タイトルはMEORIES OF A LOST SHARK

スペイン語でMEMORIAS DE UN TIBURÓN PERDIDO.
公式サイト:http://orielcolwyn.org/lost-shark/


ジェームス・クリフォード・ケント (James Clifford Kent/ロンドン出身だがルーツはウェールズ。1983年生まれ)が2012年から2013年にかけてハバナで撮った20数枚の美しくニュアンスに富むモノクロ写真の内、18枚MARYSOL のキューバ映画修行-Memorias de un tiburon perdido にデスノエスがテキストを添えています。


 昨日は、雨模様の静かな午後、デスノエスから送ってもらった写真とテキスト(英文)のおかげで、我が家に居ながらにして、メランコリックなハバナの街を“セルヒオ”のモノローグを聞きながら、散歩をしたような気になりました。


写真はこちらで見られます。
http://www.jckent.com/galleries/show/244


❃「犬」の写真を見て思い出したのが、かつて私がデスノエスに贈った画像、ゴヤの絵「砂に埋もれる犬」に対するコメント。
「《ゴヤの犬》は、私が好きな絵のひとつだ。それにこの絵は、西洋画と日本や中国の絵との架け橋にもなっていると思う。空間の使い方、漂流する世界の広がりが、途方もなく素晴らしい。君も知っての通り、中国の絵では余白を利用して、人間と虚無、人間と自然の関係を強調していることがある。私は無と充実のせめぎ合いを信じる。曖昧性と不確実性は、理性の眠りから我々を遠ざけてくれる

 拙ブログ参考記事:http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10154309314.html


❃「FIN DE SIGLO」はこれですね。
http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-11564077603.html


今回の写真展の作品に寄せたデスノエスの文章もやはり曖昧さや逆説が特徴的ですが、なぜ敢えてそれにこだわるのか?上のコメントから分かります。


この写真展、美しいモノクロ写真とデスノエスのテキストが共鳴し合って、「メモリアス」の世界が浮かび上がってきます。

写真展開催の記録
2013年6月1~21日@ウェールズ
   7月1~24日 ハバナ(アラマールのギャラリー:Galería Fayad Jamis)
10月11日~ @マンチェスターのInstituto Cervantes