デスノエス、J.カマチョの質問に答える(1) | MARYSOL のキューバ映画修行

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【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

きのうは久しぶりに家の片づけをする予定が、webで興味深い記事 を発見!
ついネットナビに時間を費やしてしまったほか拙ブログの過去の記事を

コメント欄で補充したり、キューバやNYからのメール送受信にも時間がかかり、結局ほぼ一日中パソコンの前で過ごしてしまいました。
メールフォルダーを開いてまず興奮したのが、エドムンド・デスノエス氏から届いたメールで、《『低開発の記憶』に関するホルヘ・カマチョ(サウスカロライナ大学教授で、デスノエスの親友)からデスノエスに対する17の質問とその回答》でした。
もちろん『低開発の記憶』がイベロアメリカ映画の最高傑作に選ばれたこと

受けての質問集です。


デスノエスの回答はどれも大変興味深く、充実していて、簡単に発表してしまうのがちょっと惜しいくらい…

(デスノエスは君の自由にしていいと言ってくれてます)
きょうはとりあえず、第一番目の質問とその答えを披露しましょう。


質問1 ホルヘ・カマチョ
MARYSOL のキューバ映画修行-Jorge Luis Camachoエドムンド、君の「メモリアス(低開発の記憶)」は、

40年後の今もまだ批評の対象であり続けている。

つい最近もイベロアメリカ映画史上“最高傑作”

選出されたばかりだ。

この成功は何に因っていると思う?


MARYSOL のキューバ映画修行-Edmundo Desnoes デスノエス:
作品に対する再評価は、背景となる歴史的瞬間の激しさと、とりわけモノローグの個人的見解に因っていると思う。「低開発の記憶」、はキューバ革命の勝利と主人公の批判的な見解に基づいている。

幸福感と悲痛な思いが混在した時期であり、すべてが集団化へと突き進む一方で、個人が排斥された。

だが個人はまぎれもなく表現されている。
映画は文学的記述と視覚的再生の見事な(継ぎ目のない)融合になっている。
世界に向けて両者が産み落とした産物である。まさに奇跡だ。天使とドゥエンデ(魔力)が宿っている。
もちろん、ヘンリー・ジェームスが言うように、凡ての芸術的問題はªproblema de ejecución”·(いかに実行するか)にある。
幸いにして私は、最も雄弁な方法に巡りあい、ほんの一滴の水で大海を表現し得た。そして、私の小説に感動したティトン(アレア監督)が、それに文脈(状況)を加え、視覚化したのだ。(当記事の無断転載はご遠慮下さい)


Marysolより伝言:
エドムンド・デスノエス氏の小説『低開発の記憶(邦題:いやし難い記憶)』

お隣の韓国でも近々出版される予定です。
デスノエス紹介記事;http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10004221643.html
                        
MARYSOL のキューバ映画修行-Bufalo
「しょせんキューバに野牛はいない」

(ヘミングウェイ博物館のシーンより)