魅了する眼差し | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。


先日紹介した、ポスターの写真(ぜひクリックして見てください)

 魅了する眼差し

1967年キューバにて(エド・ヴァン・デル・エルスケン撮影)


女の子たちの目があまりにも強烈な魅力を放っているので、キューバ人男性二人(ハバナに住むマリオ先生とニューヨークに住むデスノエス氏)にメールで写真を送り、印象を尋ねてみました。


私:「彼女たちの眼差しに引き寄せられて、写真展に行きました。そして、映画『メモリアス』でセルヒオがキューバ女性の眼差しについて語る言葉を思い出しました。この写真を見て感じたことなど、お聞かせください」
写真添付 → 送信!
「反応はないかも…」と釣り人の心境でいると、すぐに手ごたえが!


まずマリオ先生:
「素晴らしい写真だ!まるで強力な磁石のようだ。彼女たちの視線は、一瞬にして見る人を惹きつけて離さない。セルヒオ(映画の主人公)が言っていたのは、この眼差しのことだと思う。
正直言って、今までキューバ人女性の目の強さを意識したことはなかった。
キューバでは、相手を射抜くような、不躾なまでに強い眼差しのことを“ヤシの実を倒す”と表現するんだよ。日本の男性は、こんな目で女性に見つめられたら、さぞかしドキドキするだろうね。もっとも、『サユリ』も、その眼差しで自転車の男を倒してしまったけどね。ハハハハ」
*注:『サユリ』とは、中国人女優チャン・ツィー・イーが芸者を演じた映画。


続いてデスノエス氏(『メモリアス』の原作者であり脚本家でもある)
「キューバ人女性の眼差しに関する僕の考察を覚えていてくれたんだね。まことに好い写真だ。官能性とムードに縁取られた、あの島の女性達の強い好奇心をよく表している。こんな眼差しを日本で見たことがあるかい?」


皆さんは、どうでしょう?見たことありますか?


私の最近の経験では、映画『ミュージック・クバーナ』に登場していたトランペッター、フリオ・パドロンの目がスゴク印象的でした(あ、日本人じゃないですね)。

                    フリオの目
あと、インパクトの強い目といえば、黒人の子供の目も強烈に可愛い!
そう思いませんか?


最後に、映画『メモリアス』中の“キューバ人女性の眼差しに関するセルヒオの考察”を紹介して終わりましょう。
革命後のキューバ社会の変化になじめないセルヒオは、ハバナの街をさ迷い歩き、ふと本屋に立ち寄ります。

そこで、店にいた女性の視線を意識し、次のようなモノローグを:
「この国の女たちは、相手の目を真っ直ぐに見つめてくる。目で触れてくれと言わんばかりだ」「こんなことは、他の国では起こらない。人々はもっと無関心だ」「イタリアはどうだろう?いや、それだって、この国ほどではあるまい」


   『メモリアス』のオープンングシーンの一コマ                          

   オープニングのショット  

                           本屋のシーン

本屋のシーン