ミゲル・コユーラ監督・来日予定のお知らせ | MARYSOL のキューバ映画修行

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【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

昨晩は“七夕”という美しくも哀しい星の物語りに思いを馳せるはずの夜だったのに、なんということでしょう。

またしても、悪夢のような「同時多発爆破テロ」。

にかけたささやかな願いが、一瞬にして砕け散ってしまった思いです。


実はそんなことが起こるとは思いもしなかったので、昨日の午後はキューバの知り合い達に「TANABATA」の伝説や七夕に寄せる日本人の思いなどをメールに書いて送ったところでした。


さて一夜明けて、メールボックスを開いてみると・・・


早速、マリオ先生からは「美しい星の伝説に心が動かされた」というお返事。


そして近々来日予定のミゲル・コユーラ監督(現在撮影のためニューヨーク在住)からは、「物語りを送ってくれてありがとう。ちょうど今、Marysolのブログの“Voltes V"のロゴを見ていたところだよ。僕はまさしくこの世代。子供のとき見た日本のアニメからたくさん映画について学んだんだ。レッド・コックローチズ(赤いゴキブリ)』を観てもらえば、きっとそれが判ると思う」という興味深いお返事をいただきました。


というわけで、“七夕”と関係ありませんが、そろそろ「お知らせ」しなければと思っていたキューバの若手監督ミゲル・コユーラ(Miguel Coyula)氏来日のご案内です。


ミゲル・コユーラ・アキノ(Miguel Coyula Aquino)監督の略歴

1977年 ハバナ生まれ

サン・アントニオ・デ・ロス・バニョス(ハバナ郊外)にある国際映画テレビ学校を卒業


フィルモグラフィ

1995 Piramide(フィクション 31’VHS)     脚本・監督・撮影・編集

1996 Flankenstein(フィクション 4’VHS)  脚本・監督・撮影・編集

      La Momia(フィクション 3’VHS)     脚本・監督・撮影・編集

      Dracula(フィクション 3’VHS)     脚本・監督・撮影・編集

1997 La valvula(フィクション 20’VHS) 脚本・監督・撮影・編集 

OVNIS en Cuba? (ドキュメンタリー 52’Betacam)

監督:オクタビオ・コルタサル、デジタル特殊効果・音楽担当

      Miriam(フィクション 原作:トルーマン・カポーティ) 脚本・技術

1998 Detalles(フィクション 3’ 16ミリ) 脚本・監督・音楽

      S.O.S(フィクション 3’ 16ミリ/監督:ファン・C.ゴメス・ミリョ) 撮影

      Como la vida misma(フィクション 5’ 16ミリ)

監督:ルイス・ウルティア、 編集担当

     Carretera de Olvido(フィクション 4’ 16ミリ)

         監督:ラモン・チョモン、 音響担当 

      Idea(ドキュメンタリー 15’Betacam) 脚本・監督・音楽

1999 Valvula de Luz(フィクション 107’ VHS) 

   脚本・監督・撮影・編集・音楽・ミキシング

      Bailar sobre agujas(フィクション 15’ Betacam)

         脚本・音楽・ミキシング

      Buena Onda(フィクション 11分 35ミリ) 

         脚本・監督・音楽

      Cineplaza '99(スポット 0.32' U-Matic)

         脚本・監督・撮影・編集・音楽・ミキシング

      Ajuares(スポット 0.53’U-Matic) 

        脚本・監督・撮影・編集・ミキシング

2000  GP(プロモーションフィルム)

      Clase Z "Tropical"(フィクション 6’ VHS)

        脚本・監督・撮影・編集・特殊効果

      Cineplaza 2000(スポット 0.30’ デジタルビデオ) 

        脚本・監督・撮影・編集・音楽

2001 The Plastic Fork(フィクション 70’デジタルビデオ)

        脚本・監督・撮影・編集・音楽


著書

Al fin, el fin(短編小説)、Piramide(短編)、Cemento negro cimiento〈短編)、

el dilema del leon(短編)、Cuentos de Historias Negras(短編)、

Stand-Art(短編)

Estoy tratando de decir que ・・・(エッセイ)

Mala Onda (長編小説)


*  *  *  *  *  *  *  *


*コユーラ氏は、卒業制作で撮った映画“Buena Onda”(1999)が、米国のショートフィルムフェスティバルで上映されたのをきっかけに、アル・パチーノやアナ・ストラスバーグ(アクターズ・スタジオの創設者の未亡人)と知り合い、ストラスバーグ・シアター・インスティテュートの奨学生となる機会を得て、一年半、同校で演技とシナリオを学んだとのこと。

その間に、今回日本の映画祭で上映される『レッド・コックローチズ』のシナリオを書き、2004年のサンダンス映画祭に出品したもよう。(2003年のキューバのネット誌/Jiribillaより)                            


さて、この度の監督の来日目的は、今月16日から24日まで埼玉県川口市で開催される「SKIPシティ 国際Dシネマ映画祭2005」に、彼の長編デジタル映『レッド・コックローチズ』が、コンペティション作品として上映されるので、招待されたためです。


レッド・コックローチズのサイト: http://www.redcockroachesmovie.com/


尚、『レッド・コックローチズ』は、7月17日(日)17:30からと21日(木)18:00から上映の予定ですが、詳細は下記のサイト等を参照してください。

http://www.skipcity-dcf.jp/english/program/long.html


同映画祭は、デジタルで撮影された世界中の優秀作品(今回は194本のエントリー作品の中から10本がノミネート)から、国際審査員による選考を経て、様々な賞の授与が行われるとのこと。

また、作品の上映だけでなく、監督を迎えてのフォーラムやシンポジウムも行われるそうです。

私も今から楽しみにしています。


ミゲル・コユーラ監督について、私は会ったことも作品を観たこともないのですが、故アレア監督の代表作『Memorias del subdesarrollo』という(私の最大の関心事となっている)映画の続編を現在ニューヨークで撮影中だと知っていたので、非常に興味をもっていました。


その『Memorias del subdesarrollo(仮題:低開発の記憶)』の原作小説『いやしがたい記憶』の作者であり、同映画の脚本家でもあるエドムンド・デスノエス氏(ニューヨーク在住)とは、昨年ハバナの道を歩いていて偶然!知り合いました。


続編ともいうべき『Memorias del desarrollo(「低」を意味する“sub”が消失)』は、またしてもデスノエス氏の同名の新作小説をベースに、ニューヨークでコユーラ監督が撮影中

というわけで、今回のコユーラ監督の来日は、デスノエス氏がメールで教えてくれました。


ご都合のつく方は、ぜひ『レッドコックローチズ』を観に行ってみてください。

また、何かコユーラ監督について興味深い情報が入れば、随時ブログで紹介していく予定です。