金曜日の夜は踊ろうマチルダライブでした。 

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調べてみると前回は2009年12月27日なので、なんと8年ぶり3度目のRINCOLOライブという…その間『FUJI ROCK FESTIVAL』や『RISING SUN ROCK FESTIVAL』など、大型フェスにも出演を果たし、2012年には音楽プロデュースを大友良英さんが担当したNHKのスペシャルドラマ『とんび』のエンディングテーマとして「箒川を渡って」を書き下ろしたりとグングン大きな存在になっていったけど本人は売れるとか売れないとか全く無縁にマイペースな活動を続けていた。 

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新しいRINCOLOになってライブを行ってほしいアーティストの上位に位置していた踊ろうマチルダにオファーを入れると快諾してくれ今回に至る。 

そして迎えた当日…なんだか見たことのないような楽器がたくさん増えていてギターも三本という、ちょっとした楽器展のような陳列ぶり。 

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写真にはないが向かって左側にハーモニウム、6弦アコースティック×2本(多分DADGADチューニングとレギュラーチューニングだったのかな?)、12弦ギター、ボーカルマイクの脇にカズー、ハーディガーディ、シュルティーボックス…名前も聞いたことのないような初めて見る楽器のオンパレード!どうやらインドの楽器が主らしい。 

入り時間もセッティングやリハーサルに時間がかかるから…ということで会場4時間前の14:30に指定されていたのも納得。

ハーモニウムとシュルティーボックスはオルガンのように風を吹き込みリードを震わせて音を出す楽器で、マチルダはこれを改造しペダルで風を送りながら音を出しギターで弾き語っていた。音は古いインドの楽器らしい響で、ドローンのように鳴らしていた。 

踊ろうマチルダといえばアイリッシュトラッドのイメージが強いし、もちろん本人も「大好き」と言っていたが、細部まで分析すると構成されている音楽はブルースだったり、歌謡曲だったり、クラシックだったり、アラブやインドなどのワールドミュージックだったり、その内容は実に多彩に渡り、マチルダ・ミクスチャーとでもいうべきオリジナリティーを放っている。 

そして旅や季節や場面など風景画を思わせる歌詞。これはマチルダ自身がキャンピングカーで移動し見たもの聞いたものを歌詞に起こした嘘のないものなのだが「マーシー(真島昌利)の歌詞が好き」という通り、どことなくインテリジェンスな、ある種、純文学にも通ずる匂いを感じさせる味わい深いもの。 

RINCOLOライブのお客様は男女半々といったところだった。ライブを観れば女性にも男性にも支持されるのが分かる。あのしゃがれ声には誰しもがヤられるよなぁ。 

自分の関わる全てのことへのマニア度が非常に高く、俺自身、マニアになりきれないマニア“もどき”なので、そういう人への憧れもあり大好きなんだよな。 

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ニューアルバム『新しい夜明け』も一人でいくつもの楽器を操り多重録音して完成した作品なのだがナチュラルなウォームを感じさせる暖かい仕上がりになっている。特にアルバムの最後を飾る「化け物が行く」はライブでも人気が高く、アルバムもかなりの力作・名作なのでライブに行って手にとってほしい。 

RINCOLOは来年の今頃、またの再会を約束してあるので今回見逃した方は是非とも遊びに来てください。 

踊ろうマチルダこと釣部修宏の素顔はベジタリアンでお酒も呑まず、シャイであり、拘りも強く、無口だが真面目で、いつも音楽のことばかり考えているような天才肌の音楽家という人物像とでもいえば分かりやすいだろうか。 

ライブが終わって打ち上げで“自称キャバ嬢”という熱烈なファンの方と話しているときも、俺とファミレスで明け方5時半まで話し込んでいても、常に思考のベクトルが音楽に向いているから一晩では語り尽くせず…続きはまた来年にでもゆっくり。

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