林芙美子の小説に「浮雲」がある。

この小説に登場する、ゆき子は

戦争中にベトナムに、タイピストで

働いた。そこで、農林研究所の富岡と

不倫関係になった。

 

(青空文庫 林芙美子 浮雲)

 

戦後、日本へ戻った二人は、屋久島で

再会する。

男女の人生を描いた「浮雲」。

 

(Google Map 屋久島小杉谷 リンク)

 

富岡は、帰国して屋久島の安房川上流

小杉谷にある、営林署に職を得た。

林芙美子は、後を追って、安房川河口の

安房館に身を寄せた。

そこで、「浮雲」を執筆したと聞く。

安房館は、現在も、営業してます。

 

 

僕は、昭和33年から4年間と、昭和

48年から4年間の計8年間滞在した。

小杉谷近くにも、2年間勤務した。

 

富岡のベトナムから屋久島への足取りは

僕も同じだ。

富岡は、その後、小杉谷で、肺結核に

かかり、死亡した。

 

屋久島は雨が多い。「浮雲」で

「月に35日雨が降る」とある。

大袈裟だが、良く降るのは確かだ。

(440mm/年平均。日本ー)

ある台風では、3日間の合計雨量が

1000mm(1.0m)を経験した。

晴天が20日も続く事もある。

 

雨の日。現場から帰ると、びっしょり。

部屋の中のロープに掛ける。

乾燥機の無い現場だ。

翌日も雨だと、半乾きのを

「エイヤツ」と着て、現場へ。

 

この雨の多い現場を、やり終えて

富岡のように、肺結核に罹らず

屋久島を、卒業したこと。

神に感謝。万々歳。