大層なタイトルをつけてますが、まぁ、先日行った試写会で貰ったプレスシートの感想ですよっと。
それと、紆余曲折あって色んな資料が手元に届いているのでそれも含めた上で何か語ろうかな、って感じ。
三国志が題材で、アクションや小物、セットなども悉くクォリティーが高いですが、やっぱり史実とは遠い古代中国物語と見た方が良さそうです。
そもそも正史ですら史実じゃないので史実って何?って感じですけど。
それでも、時代モノ好き、ドラマ・映画好き(連ドラは大抵見れない日が多くて悔しいのであまり見ませんが)の私としてはやっぱりDVDが欲しいと思いました。
超個人的・超独断ですが、一般的な「三国志モノ」の認識を覆すかもしれない見所を3箇所ほど紹介します。
・貂蝉が呂布に惚れる
三國無双でもそんな感じだった気がしますが。
正史にはそもそも出てこなくて、演義でも計略のために動いた貂蝉が、前半のラブストーリーの主役になるのは、ドラマならではの仕様だと思います。
個人的には、作品を盛り上げる意味でこういった華も必要だなと。
「レッドクリフ」も、周瑜と小喬の恋愛がドラマティックに描かれていて、小喬に関してはオリジナル要素として夫のために危険を冒して敵地に赴くという演出までありました。
三国志に興味ない友人が彼氏と一緒にこれを見て、面白かったと言っていたので、恋愛要素を取り込むと一般女性にも敷居が低くなるんだなーと感じた覚えがあります。
その彼氏さんは私と三国志を語り合いたいと言ってましたが(笑)
・曹沖が毒殺!?
曹沖は体が弱くて、若くして病死。
この認識をぶっ飛ばす一文に一瞬目を疑いました。
プレスシートには「何者かに毒殺される」とあるだけでしたが、別のプロモーション資料には「朝廷内部では残酷な後継者争いが行われていた。幼少の聡明な曹沖は兄弟によって毒殺される。」ともう少し細かく書いてあるんです。
曹丕ではなさそうなんですが、犯人は誰だ!?・・・と、ミステリードラマみたいな心持ちになっております。
我らが豆兄弟の後継者争いに関しての記述(別資料参照)はこんな感じです。
「野心家の司馬懿は政治の表舞台に上がり、王位を継ぐ可能性が最も低く、また王の座を奪うことができる潜在的可能性を秘めた王子の曹丕に賭け、王位に就くため、屈辱に耐え重責を担い、その才知や本心を隠すよう手に手をとって教えた。
中国古代の著名な文学者でもあり、もう一人の王子である曹植も、後継者争いに巻き込まれる。また、天女のような美しさの甄妃をめぐって、愛憎劇の幕が開けられる。権力、愛情、兄弟、欲望、戦争、陰謀・・・複雑に絡み合い、それぞれが深い泥沼にハマっていく。その中で、「洛神賦」「七歩詩」など、中国文学に燦然と輝く傑作が生れる。」
甄皇后の取り合いもまた、ドラマ的には興味深い演出ですね。
昼ドラ好きもターゲットにできる!?(笑)
まぁ、ツッコミ所は多いですが。
曹操が曹植を気に入ってたとはいえ、王位を継ぐ可能性は曹丕にも少なからずあったわけで・・・。
というか、本来ならば曹丕が後継ぎになって然るべきところを(曹昴、曹沖が亡くなり卞氏が正室になった時点)曹植の才能ゆえに曹操は悩まされた、という状況です。
「『洛神賦』『七歩詩』など、中国文学に燦然と輝く傑作」も、洛神賦は甄皇后がモデルというのは憶測だし、『七歩詩』に関しては創作であって曹植の作品ですらない可能性が高いからなぁ・・・。
題材としてはこの辺の愛憎劇はすごく面白いんです。
でも、この二つの解釈を誤ったまま、あたかも中国古典文学の代表作のように思われてしまうのは忍びないです。
憶測を加えなくても十分傑作といえる作品が他にも山のようにあるんですから。
・献帝、死亡!?
いや、禅譲なんですよ、あくまで。
ただ、「献帝は泣く泣く詔書を記して去っていくが、献帝の乗った船は沈没してしまう。」って、ちょっ(笑)
劉協はそれなりに優遇されて過ごしたんだから、ここで殺さなくてもいいんじゃ・・・。
とも思ったけど、完全なる漢の終焉というのを後腐れなく描きたかったのかもしれない。
それを裏付けるのが、次に語りたい渡邉先生のコラムでした。
渡邉先生は、『三国志演義』を「滅びの美学」と言い表していました。
これは言い得て妙すぎる。
「正義」の蜀が敗れていく物語。
その物語を飾るにふさわしい悪役が、人間としての魅力を兼ね揃えた曹操だと仰っています。
試写会の時から、演義ベースなのに曹操が主役って珍しいな~と思っていましたが、なるほどこういう見方があったのですね。
「滅びの美学」ということを鑑みると、献帝が追い出されて亡くなる、という演出を以ってそれを伝えるという意図があったとしても頷ける気がします。
よくよく考えてみると、全95話のうちいわゆる「魏・呉・蜀の三国時代」を描くのは74話からなんですよ。
それまでの長い話は漢の時代なんですよね。
晋という国家の統一がなされるまで、滅びの残酷さと必然性、それに伴う感傷を視聴者に与えながら繰り広げられていく戦い。
それこそまさに三国志の美学と言っていいのかも知れません。
ちなみに、この作品は完全に演義に合わせて明清時代を背景にしたのではなく、現代中国を背景にすることを意識して作られたようです。
セリフが現代語なのも、その辺に理由があったりして。
蛇足ですが、渡邉先生のコラムの中で、「説着曹操、曹操周到」の諺が取り上げられていて、「(曹操は)悪口を聞き漏らさない油断ならない悪役」とありましたが、悪口聞かれても言い回しが巧かったりすれば曹操にはきっと気に入られますよ、陳琳さんのように(笑)