ニューヨーク滞在中、ニューヘイブンにあるイェール大学まで行ったのは
この方にお招きいただいたからです。
武者小路千家家元十五代後嗣・千宗屋さん。
現在千さんは、平成20年度文化庁文化交流使として
ニューヨークを拠点にご活躍中です。
ある方を通じて、今回の旅行中お会いすることとなったのですが、
千さんも私のブログで茶の湯記事をご覧になっていたとのこと。
興味を持って下さっていたということで
とても嬉しい出会い@Yaleとなりました。
この日も、文化交流使として『茶の湯の現代』という講演、
「濃茶」のデモンストレーションと「立礼」での呈茶をされました。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://artgallery.yale.edu/pdf/TeaSymposium_Japanese.pdf
『茶の旅路』の展示自体は数ヶ月続いていたのですが、
このようにデモンストレーションを見たり
薄茶をいただけるのはその日一日限り。
このタイミングでNYを訪れたこと自体に、
何か大きな意味を感じます。
マクニールホールで行われた『濃茶』のデモンストレーション。
濃茶のお手前を、まさか海外でみることができるとは
夢にも思っていませんでした。
千さんは日本美術においても専門家で教鞭をとられているため、
とても分かりやすい説明に、訪れた方々は口々に
「Interesting!」
とつぶやきながら聞き入っていました。
割と時間がかかる濃茶の手前も、じっと見つめています。
「濃茶」とは、普段抹茶としてよく飲まれている「薄茶」と違い、
大量な抹茶を使ってとろりと練り上げる飲み物で、
席に入ったお客様全員で、一つのお椀から回し飲みするもの。
強い信頼関係が結ばれている間柄で初めて成立するもので、
それは、千利休が活躍していた16世紀ごろ
日本に宣教師が伝えたワインの回し飲みを
参考にしたものとも考えられているそうです。
日本という土地を離れて、改めて日本文化に触れると
違った角度から見ることができるせいか、
改めてその素晴らしさと美しさ、そしていかに
大切にしていきたいものなのかを認識し、
胸が熱くなる思いがしました。
そして、海外でこれほど茶の湯の文化が受け入れられ、
「知りたい!」という情熱に溢れていることに
驚きを隠せません。
下手に何も情報がないから、いいのかもしれませんね。
日本人は、
「今さらそんなこと聞いていいのかな?」
と不安に思う方も多いみたいです。
私もまだまだ勉強不足。
もっともっと知りたいと思っています。
最後は、千さんご自身がデザインされたテーブルで
立礼式の呈茶。
異国の地で、こんなに美味しいお薄をいただけるなんて!!
感激です。
ニューヨークで触れた茶の湯はまだありますので、
またブログに載せますね。
ちなみに、千さんのブログもございます。