今回の旅の目的。
空海が虚空蔵求聞持法を百万遍唱えて明星が来影するのを体験した場所を訪ねること。
ついに来た。
ほんとに遠かった。
思ってた以上に何もない。
そっけないくらい。
左の洞窟が空海が住んでいたという御厨人窟、右側が空海が修行していた神明窟だそうだ。
神明窟より御厨人窟の方が中は広めだったが、そんなに深い穴ではなかった。
中は、薄暗く、聖なる場所という感じ。
海でお魚とか捕まえて、焚き火で焼いて、食べたりしてたのか、空海。
ワイルドだ。
空海が明星を見た室戸の海。
現在は、洞窟と海の間に2車線の道路が通っているが、空海の時代は、もっと海が近かったそうだ。
多分、今道路がある所は海。
当時、洞窟のすぐそばまで海が来ていた。
室戸岬はほとんどがゴツゴツした岩場。
空海は、洞窟の中から波が岩場を洗うのをずっと見ていたはずだ。
うっすらと潮の香りがし、今は整備されている遊歩道を縁取る植物も亜熱帯のような植生。
1200年前は、もっと荒々しい岩場だけの海だったろう。
波の音に混じって、声が聞こえる気がする。
ノウボウアキャシャキャラバヤオンアリキャマリボリソワカ
岩場の陰から真っ黒に日焼けした少年が現れる。
1200年の時が繋がる、
一瞬の幻を見た。
大自然と大宇宙。
自分と虚空。
彼はまだ自身の未来を知らず、しかし、ここで何かを心に感得した。
この空と海を見て、空海が密教を選んだ理由が分かった気がする。
のちの空海の思想の萌芽を確かに感じる。
そんな若き日の空海の修行の場。


















