真言宗総本山醍醐寺。
それにしても、人に会わない。
桜の季節、紅葉の季節、夜間のライトアップも含めて何度か訪れたが、未だ未知の領域があった。
上醍醐。真言密教、そして修験道とが交錯する神秘のお山。
京都駅からJR山科駅で地下鉄に乗り換え醍醐駅へ。
醍醐駅からは団地が立ち並ぶ住宅地の間を遊歩道が整備されている。
10分ほど歩くと醍醐寺の山門が現れる。
左手に三宝院、何度も来ているし、時間もないので、立ち寄らずに進む。
仁王門をくぐり、伽藍内を散策しながら上醍醐へ向かう。
平日の午前中、人影もまばら、国宝の金堂で手を合わせ、五重の塔を仰ぎ見るも、どこか寂しい感じ。
途中、観音堂に立ち寄る。
御朱印は、こちらでいただくようになっているが、私は御朱印は集めていない。
これだけ寺社巡りをしているのだから、さぞかし御朱印を持っているだろうと言われるが、私は全く持っていない。
御朱印ブームの遥か以前から寺社巡りをしていたが、知らないうちにブームになっていて、始めるタイミングを逸した。
そうか、そうか、ブームなのか。
観音堂からお経の声がした。
中では、二人の僧侶と三人の学生服姿の少年がほとけさまの前でお経を読んでいた。
観音堂の先には池、緑に朱塗りの橋とお堂が映える。
伽藍を抜けると、いよいよ上醍醐。
女人堂。
ここで入山料を払うはずなのだが、誰もいない。
キョロキョロしていたら、庭を手入れしていたおじさんが来て、
「お山に登るの?御朱印じゃなくて?」
と聞いてきた。
「ええ、お山に。」と言ったら、「伽藍に行ったなら500円ね。」と言われ、500円をだすと拝観券をくれた。
「御朱印はいいんだよね。」となぜか再確認された。
ええ、御朱印はいいのです。
女人堂の前のほとけさまたち。
あまり上醍醐に登る人はいないのだろうか。
伽藍でさえ、ガランとしていた・・・。
こんな山道、一人で心細い。
でもいつだって空海さんと同行二人。
南無大師遍照金剛、と唱えながら、進んでいく。
醍醐の桜の場所はこちら。
ホーホケキョ、と鳥の声。
法華経か。
聖徳太子と最澄も一緒。
20分ほど登ると途中でやっと人影が見えた。
下山中の旅行者っぽい男性にすれ違う。
「こんにちは。」とあいさつ。
さらに10分ほど歩いて、いい加減息切れしてきたところで、また下りてくる男性に出会う。
軽装だ。
「こんにちは。この先ってまだ長いんですか?」
と聞いてみた。
「そうやね。あと30分、いや奥まで行くなら40分くらいかな。」
まだ半分来てないんだ、と少しがっくりしていると、
「そんなに危ないとこないし。初めて?」
「ええ。」
「そうか、よう来たね。」
と言われた。
お山で働いている人か?軽装だし。
またしばらく行くと、今度は中年の男女が坂の途中に立ち止まっていた。
女性の「もう無理や!」に
男性が「あともう20分くらいやで。」と。
ここで下りるか、先に進むかでもめているらしい。
「結構キツイですよね。」
女性に話かけると、
「ですよねー。」
と返されたが、すかさず男性が
「あと20分くらいですよ。」と。
「そうですか。」
私はここで下りるつもりはないので先に進んだが、二人はここで下りたようだ。
上醍醐、なめてたぜ。
施福寺より距離がある分キツイ。
人もいないし。
途中にこんなのが立っている。
そろそろか、と思っていると下り坂になり、下っていいのか、と不安になっていると、上醍醐の寺務所が現れた!
着いたぁ!
元気が出てきた。
お山の歴史。
国宝・清瀧宮拝殿。
清瀧宮拝殿や醍醐水のあるエリアからさらに登ると、五大堂のあるエリアへ。
ここにも山上の曼荼羅が。
仁王経曼荼羅壁画。
山岳修行者を励ますように睨みをきかす。
開山堂には、空海、聖宝、観賢の真言高僧トリオの名が。
人影は、私のほかに3、4人見かけた。
山ガール風の若い女性が一人で来ているようだった。
女性一人って自分だけじゃないんだ、と少し安心する。
やや年上の女性にも会った。
近所にお住まいとのこと。
「ここは、女性一人でも危なくないからいいのよ。」
と言われた。
山を下りる途中、
「ろっこんしょーじょー!」
と叫びながら登ってくる一行とすれ違った。
山岳修行者だった空海。
その法脈は、現代まで引き継がれている。















