本日は、川崎大師教学研究所の公開講座「弘法大師の文章について」という講座を受講した。
講師は、同研究所教授の佐藤隆一先生。
「弘法大師の文章」というからには、難解な著作が題材になっていたら、ついていけるかしら、と思っていたが、性霊集の「大使福州の観察使に与うるがための書」が今回の題材であった。
遣唐使船で漂着した唐の田舎の浜で、当地の役人から海賊に疑われて足止めをくらっていた時に、一歩間違えれば、遣唐使船に乗り合わせた者が皆死罪になりかねない状況で、空海が筆を取って、見事に疑いを晴らし、一行を救った名文である。
唐の役人の心をくすぐったり、揺さぶったり、の絶妙なバランスの巧妙な文章だと思う。
すごいよ!空海、この時31歳。
佐藤先生は臨床心理学もご専門とされていたらしいが、穏やかな語り口ながら、空海の類いまれなる優秀さを存分に語ってくださった。
お話の中で、空海は天才ゆえに誰にも理解されない部分があって、孤独な人だったのではないか、というのが印象的だった。
私も、空海の孤独を感じていたからだ。
帰りは、川崎大師平間寺の大本堂に寄って、護摩勤行に参加。
雨の予報もあったが、幸いにも、雨に当たらず、少し肌寒い10月の1日だった。
下記の「お大師さまのことば」
空海は、両親や一族の期待を背負って、都の大学に進学して官僚になるはずだったが、そこを飛び出し、仏道に入った。
空海が親孝行を説く時、私には、彼が若き日の親不孝をずっと引きずっていたと思われる。

