罪と罰



ぼくは事故に遭いました


大きな大きな大事故です


ぼくは死にかけました



いいえ


死んだのです


一度は黄泉の国へ赴き


綺麗な花畑に掛かる


赤い橋を渡ろうとしたのです



ですが誰かが一生懸命


ぼくを呼ぶので振り向きました



その声はもうずっと前に


死んだ父でした


母もいました


まだ幼かった弟もいました



彼らもまた


事故で死んだのです



ぼくは懐かしさのあまり


彼らに近付こうとしました


けれど逆に彼らに


来てはいけないと注意され


その指示に従いました



すると


目を開けたら


ぼくは病院に居ました


そうです


ぼくは一度死に


黄泉返ったのです



ぼくの心臓は


母のものでした



ぼくの両目は


父のものでした



ぼくの脳は


弟のものでした



目覚めたぼくは


もうぼくではなくなっていました



ぼくは一度死に


黄泉返り


そうしてまた死にました