声



あなたには


聴こえませんか?


この哀しみの調べが


心に届きませんか?



またやってきたのです


人々を苦しめるだけで


何の得を生まない


あの闇が



人間は何を喪えば


悪に気付くのだろう



たとえ最愛の人を


失っても気付かないのは


どうして?



我に返って


嘆き哀しんでも


刻(とき)の流れで


その感情さえも


薄れてゆく



輪廻は巡る・・・



解決法のない


暗闇の世界


哀しい人間の性は


まわりの暗さに


馴染んで脱出しようとはしない



私には聴こえる


あの哀しみの声が



天使のゴスペル


神の嘆き


仏の憂い



たとえこの闇が


消えても


またすぐに


新しい闇が降りてくる



いつの世も同じ



人間はまた


手に武器を持って


戦うのだろう



何にむかって?



理由はいつでも


こじつけでしかない



飢えのため  自由のため


世のため   民のため


宗教のため  正義のため



本当はただの暗闇に


突っ走っているだけなのに



私にはあの哀しみの


音色しか聴こえない



苦しそうに喘ぐ


果てしなく淀んだ


哀しい声



人間が本当の


「あるべき姿」を


見出せる日は


いつなのだろう