弘法大師
ぼろぼろの麻の衣を
身にまとい
金剛杖を突き
歩く影
後光煌く
有り難いお姿
水が無いといえば
杖で一突き
黄金の溢れんばかりの
輝かしい水
村人はひざまつき
その有り難いお姿に
涙を流し
合掌す
たとえぼろの衣を
まとっていようとも
その心は
尊い人
人々を助けんがために
この世に
遣わされし人
道行くものはみな
その尊きお姿に
哀願し感謝す
富豪家に
お生まれになっても
驕らず
偉ぶらず
蔑まない仏の心
山道で道に迷えば
犬が助け
困った時は
すかさず仏が
舞い降りる
そのお姿が
通り過ぎるだけで
この世の幸福と
成り給う
小さな子供が
指を差し
誰ぞなと問えば
あれ行くは
この世で最も尊きお方
弘法大師と
教える老婆
人隔てなく
みなに錫杖(しゃくじょう)の
お加持
有り難やと
涙を流す
南無大師遍照金剛
心の中で
三度唱えれば
大師の面影浮び
現わるる
錫杖の音(ね)
凛と響かせ
念珠を持ち
独鈷(どっこ)を持つお姿
大蛇を払い
悪を払う
ああ
あのお姿は
修行大師様
総ての悪を
退治し
救い給う
国の平安と
人々の幸福だけを
祈るお姿こそ
まさに
大日如来の化身
そう
あのお姿こそ
弘法大師空海なり
※仏教用語/金剛杖(こんごうつえ):僧侶が持ち歩く杖のこと。
錫杖(しゃくじょう):仏具の一種。主にお祓いの時や経の時に使う。
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう):「南無」とは、
なんとも有り難いという意。「遍照」は空海をさしている。
念珠(ねんじゅ):数珠(じゅず)のこと。
独鈷(どっこ):仏具の一種。主に経の時に使用。真言宗しか使わない。