このように、ボックスの奥にかまくらベッドがあり、そこにもボックス全部にも薄手の毛布を敷き、その下にカイロを幾つも入れている
そして
今日はもう
チュールも
小さじ一杯くらいしか
食べず
ああ、もう
それでいいんだ…
と思った
それでも
わたしの顔を見ると
スリスリゴロゴロ言いながら
寄ってきて
お尻トントンをせがむので
どんどん
骨が出てくる背中を
指先で感じながら
今までみたいに
強くトントンすると
痛いかもな…
と場所を色々変えながら
二人で
一日何度も
トントンしながら
過ごし
もう、どの瞬間も
苦しいくらい
たまらない時間で
たまに
「タヌちゃん」
と呼ぶと
声にならない声で
答えてくれて
5年半前に亡くなった
思い出した
そして
去年まで見続けた
ある人の死は
いつも
「死にたい、死にたい…」
と言い
それは
その時わたしも
自我の完全な死、覚醒し切ることを望んでいたので
死にたかったので
だから
そんな現象が
目の前に現れたのだ
とわかっていた
そして
多分今
死に向かっているであろう
タヌちゃんは
痛い、辛い、寒い
死にたい、生きたい
と言うわけでもなく
全てを
当たり前に受け入れ
そして
呼吸がいつだって
今、この瞬間を生きる
だけで
今、この瞬間を生きる
という言葉さえなく
それも
今のわたしだ…
と思った
そして
わたしは
そんな彼女を
ただ、ただ
純粋に爆発的に愛し
少しでも
穏やかに緩やかに
天国から天国へ行けるよう
今、なるべく
暖かく安心する寝床をつくり
好きなお尻トントンをするだけで
それも
わたしが自分に
望んでいることだった
でも
それは選択の一つだし
わたしの自己満足だし
彼女が
どこにいようが
どこで死のうが
どこで生きようが
何を選ぼうが選ぶまいが
何でもいい…
わたしのこの愛する気持ちは変わらない
と思っていて
それが
無条件の愛で…
ああ、
タヌちゃんと共に
わたしも死んでいくんだな…
地上天国に完全に入っていくんだな…
と思っている
窓から外を見て、いないな…と思ったら、玄関ドアのすぐ側まで来て家の中をじっと見ていたので、入りたいのかな…と、家の中にこの段ボールを入れて、ドアをしばらく開けていたが、入ってこず、この段ボールをここに置いたら、入っていった
ゼーゼー言いながらこの段ボールで寝ていて、もっと暖かくしてあげようとしたら、この後ここを出て、いつものハウスに入って行った
※追記
今この記事をアップした後
タヌちゃんを見たら
わたしの物音がしたからか
ハウスから出てどこかに行ったので
それを探しに
もう一軒のタヌクロちゃんたちに
ご飯をくれるお宅の前を通ったら
そのお宅の庭に
野良猫クロちゃんが座っていて!慌ててご飯を取りに帰ったら
クロちゃんが食べに来て!
もう、とんでもなく
幸せだった
(クロちゃんにまた会いたいな…。タヌちゃんが食べなくなったフード、誰か食べないかな…と思っていたところだった。クロちゃん、めちゃくちゃ食べた 笑。そしてこの子たち、人間が気づくまで、いつもこうやって座って待っているんだな…)
右耳がびっくりするくらいの怪我をしているが
かなりえぐれて、骨も見えてそうだけど
もう、治ってきているようだった
家に帰ったらタヌちゃんが
ずっと居たかのように
ハウスの中にいた