わたしは
今24歳の息子が
2歳で障害を負ったとき
まだその時は
障害を負うなんて思っていなかったが
救急車で病院に向かうとき
一瞬〝ワクワク〟した
でもすぐ救急隊員のひとに
「お母さん!
お子さんの名前を呼んであげて下さい!」
と言われたとき
我に返り
ワクワクしていた自分を
不謹慎だと
それを封じ込めたのだが
でもその後
息子に障害が残り
5年10年は
それはそれはとんでもない
奈落の底のような
体験をしてきたのだが
でもその後ふと
少しずつ
それにより
自分が幸せになっていることに
気づくようになり
「あれ…
息子の障害を不幸だと思ってきたが
これは幸運だったのではないか…」
と思うようになっていった
そして
障害を負った14年後
息子に
爆発的な絵の才能が現れたとき「ああ、やっぱり
あのときの〝ワクワク〟は
正解だったんだ…」
と思った
だからその後
いつだってその渦中に瞬時に
ワクワクできるわけではなかったが
でも少しずつ
その時瞬時に
その現象への意味づけを
自分で意識的に選ぶようになっていった
そして
不謹慎は百も承知だし
普段はワクワクという言葉は
少し薄っぺらいので
使わないのだが
でも改めて
〝この世はワクワク(喜び)しかない〟
〝この世は愛しかない〟
と思い
物凄く物凄く
落ち着き
発狂し
涙が溢れた