言葉 5. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.













そして
息子
地元の中学校の
特別支援学級を経て
養護学校の高等部へ入学し











わたしは
迷いながらも
息子を観察することや
自分の欲求に従うことや
運命の流れを
道しるべにして











ずっと
息子の
無限の能力を
探し続けていて











養護学校の先生にも
今までの経緯を伝え
息子の好きなことや
得意なことがあれば
教えてほしいとお願いしていた









そして
一年生の冬
初めての作業所実習
始まることになり









まず
市内外にある
100くらいの作業所のなかから
第三希望まで
希望の作業所を決める必要があった









そしてわたしは
他のお母さんたちが
卒業後の主な就職先になる
作業所について









先輩たちに聞いたり
幾つも訪問したり
先生に相談して
入学してすぐから
就職活動をしていたのに対し









息子が純粋に
就職したい作業所があるなら
もちろん心から応援するが










息子が進むのは
作業所ではない
気がしていたので









ママ友に誘われて
一度作業所を見に行き
二度あった学校の集団見学で
一度行ったくらいで









知識として
作業所のことを
ほとんど知らなかった








だから
第一希望と第二希望に
それらの作業所を書いた









そして
第三希望になり
全く心当たりが無かったので
学校から配られた
作業所が紹介されている
冊子をやっと開いた










でも
全く見当もつかなかったので
息子に聞こうと思った











そして息子に
「リサイクルと、野菜作りと、パン作りと、
部品の組み立ての、どれがいい?」
と聞いた










すると
「どれも嫌だ」
と言った











だから
また冊子をめくると
全く知識のない
わたしでも知っていた









比較的家から近く
見晴らしの良い
交差点の近くに
ここ数年以内にできた
作業所が目に入った










するとそこに
〝組紐〟
と書かれていたので










「組紐はどう?」 
と聞くと









「それがいい」
と言った









そしてふと
中学校で
あまりたくさんは
話さなかったが









一目見た瞬間
同じものを知っている
と感じた先生から










息子は学校では
ビーズ通しなど細かい作業が
ひとより得意だったらしく








「りんくんは
手先が器用ですよね」








と言われたことを
思い出した










息子は
障害を負って
一番機能が低下したのが
視力と手の機能で









視力は
完全ではないが
日常に不便がないくらい
回復したが









字を書くことは
どれだけ練習をしても
名前と数字を
書けるくらいまでしか
ならなかったなどもあり










わたしのなかで
息子は不器用だと
思っていたので









その言葉で











でも
物静かな
信頼できる先生の
言葉だったので









そういう息子も
いるかもしれない 
と素直に思ったことを
思いだし










第三希望を
その作業所にして
学校に提出した









そして
第一希望と第二希望は
作業所の都合や定員で
入れなかったとの理由から
第三希望に決まった









そして
同じ学校からはもう一人 
同じ作業所に実習に行く 
友だちがいて









それが
小中高唯一ずっと一緒の

仲の良い友だちだと
聞いてびっくりした











最初は
それが先生が
実習が少しでも
リラックスして進むために
意図的にされたものかと思った










そして
その子のお母さんに聞くと
やはりわたしと同じ
第三希望にその作業所を書き
第一、第二希望も
同じ理由で入れず










それは
たまたまだったとわかり
わたしは唸り
何か流れがきているように感じた









そして
5日間の実習が始まり
今までマイペースに学校と関わってきた
息子とわたしは











「世の中で、働くということはこういうことか…」
と時間厳守や体調管理など
身が引き締まる思いで
5日間を過ごし
それは貴重な体験で








作業所の方の
想像以上に素晴らしい
組紐にも
本当に驚いた





  

 
でも
実習ということもあり
掛け違えなども
大目に見てもらいながら
息子は楽しんで
組紐を教わっていて










そして
5日目の最終日に
息子を迎えに行くと










一緒に実習に行ったお友だちは
元々手先が器用なこともあり
美しく整った組紐に
なっていたが









息子の組紐だけ
同じ配色と同じ編み方を
教わりながらも
全く別物で








それは
作業所の方やお友だちが
商品なのに対し








息子は
〝作品〟になっていることに
気づいたとき
ハッとした









そして
見れば見るほど
息子の組紐だけ楽しそうで
エネルギーが爆発していて









わたしは
「ああ、芸術が爆発している…」
「ああ、息子の無限の才能は芸術だ…」
と分かり
衝撃が走った























そして
作業所体験が終わった
その金曜日の夜










二人の娘にも
その作品を見せ
みんなで
凄いねと言った後









息子はコタツで
大好きなMステの
大好きな嵐を見ていた










そうしたら両脇から
口が達者な姉二人が
息子に











「凜は得意なこと何があるの?」
「わたしらこんなんあるで」
「凜の話、全然面白くないし」
「面白い話たまにはしなよ」











と集中して見ていたのに
少し鬱陶しいくらいに
話しかけていて  
わたしは黙って見た








すると
基本優しくて怒らない
息子が突然










組紐!!」
と言った











そうしたら
その一言に









姉たちからの質問の答えが全てあり
旬なネタがきて
予想外で
センスがあって
笑いのセンスもあったので









笑いにも
センスにも厳しい姉たちも
一瞬で絶句し










その後
爆笑が巻き起こり
三人でハイタッチをしていて








息子の言葉にも
何か凄いパワーが
あるのかもしれない
と思った