この日は
親友の引っ越し
だった
だから
わたしも
一日手伝いに
行き
彼女がここで
13年
女手一つで
仕事をしながら
家事をしながら
三人の子どもを
育てながら
喜怒哀楽
豊かに
どこまでも
どこまでも
純粋に
命懸けで
自分を
精一杯
生きてきたことを
思い
ずっとずっと
胸が
一杯だった
そして
引っ越し業者の
若い三人の男性も
仕事はもう
一切無駄が無く
見惚れるくらい
完璧で
礼儀正しく
頼もしく
素直で
本当に本当に
気持ちが良かった
わたしたち
施主がいない
所でも
三人で
賑やかに笑いながら
作業をする声が
聞こえるなど
あの
忙しい中でも
本当に
仲が良く
聞くと
今日は
場所や日付けから
アルバイト無しの
正社員だけの
特別編成で
やってきて
普段から
仲が良い
と言っていた
そして
その中の一人は
親友が
飼っている
キャリーバッグに入った
猫たちを
作業の間に
何度も何度も
見に来ていて
聞くと
長年
犬や猫と共に
暮らしている
と言い
猫たちを
それはそれは
驚くほど
丁寧に
扱ってくれて
わたしとも
猫愛を
何度も楽しく
語り合った
そして
聞くと
彼らは
物凄く
しっかりとした教育を
会社から
受けているようだが
でも
彼らは
仕事関係無く
普段から
こういう人たち
なんだろうな
と思うような
若者たちで
わたしは
何度も
それに感動し
でも結局
どんな個性であれ
愛おしいしか
ないのだが
彼らにも
我が子のような
愛おしさが
湧き上がり
親友と
何度も
それを伝え
帰りは
体に気をつけて
元気で頑張ってね
と手を振り続けると
何度も
頭を下げて
笑顔で
帰って行った
そしてそれは
親友の旧居の
引き渡しの
業者さんもで
親友とは
共通の知人が
いたようで
仕事関係なく
和やかに話をし
わたしと三人で
まるで飲み会のように
盛り上がるなど
楽しく
そして
引っ越し業者さんとも
引き渡し業者さんとも
その間にみえた
インターネット関係の
業者さんとも
無計画だったのに
面白いくらいの
タイミングや
シンクロがあり
男手がない
わたしたちを
思わぬタイミングで
助けて下さる
瞬間もあり
それも
本当に
面白く
有難かった
そして
わたしの家に
帰ると
親友をいつも
娘のように
大切にしてくれる
母が
父の故郷の鹿児島の
郷土料理がねを
山ほど作り
待っていてくれて
母が
わたしも
あなた達に
何かしてあげたかったの
と言うと
今冬
お母さんを亡くし
わたしの母を
実の母のように愛し
大切にしてくれる
親友は
ありがとうと
母に抱きついて
泣いていて
わたしも一緒に
泣いた