息子を産んで
しばらくして
ふと
わたしは
22歳で
建築士と結婚し
20代で
二歳違いの
女女男
三人の子どもを
産み
ごちゃごちゃ
バタバタと
育てたい
という
わたしの夢が
いつの間にか
努力もなく
自然に
全て
叶っていたことに
気づいた
そして
それから
10年くらい
経ち
ふと
さらに
その奥には
そのように
具体的ではなく
もっと感覚的な
深い願いが
あったことを
思いだした
それは
わたしの
パートナーは
雲のように
わたしを
無条件の愛で包む
大安心の存在で
そして
無限の豊かさが
あり
わたしは
その懐で
どこまでも
女として
美しく
どこまでも
子どものように
無邪気で
純粋に
どこまでも
少女のように
わがままに
生きている
という
ビジョンで
その存在は
神だった
そして
わたしは
ああ
わたしは
一度も
恋をしたことが
なかった
と
ハッとした
25年の
結婚生活を
終えたばかりで
アラフィフで
三人の子どもが
成人になり
夢中になってきた
けど
わたしは
本当の恋を
したことがない
と気づき
今
一つだけ
願いを叶えてあげる
と言われたら
恋がしたい
と思った
そして
いつか
恋をするなら
それは
神とで
それが
感覚的な
神なのか
神として
人間を生きる
存在なのかは
分からないが
それは
最初で
最後の恋だ
と思った