息子が通う
養護学校高等部の
入学説明会で
二年前の冬に
進路指導担当の先生が
こう言われた
「親御さんは
子どもさんの自立
仕事で給料を稼ぐことばかり
考える方が多いが
ぜひ
子どもさんの楽しみも
一緒に見つけてください
昔
就職がなかなか決まらない
生徒がいたが
その生徒には
好きなアーティストがいた
だから
CDを買って
ファンクラブに入って
コンサートに行くには
お金が必要だよと言うと
やる気を出し
就職が決まった
だから
いかに稼ぐかも大事だが
いかに使うかも大事で
稼ぐだけでなく
使う楽しみもあると
そのとき人生が
豊かになる」
そう先生は言われ
わたしはハッとし
これは
養護学校だろうが
進学校だろうが
会社だろうが
幼稚園だろうが
どこにでも通用する言葉で
誰でも聞く必要のある
言葉だと思った
だから息子が
絵で収入を得るようになり
それをどう使うかも
息子と考えていて
今は絵画展で
お世話になったりした方を中心に
息子が食事をおごるなど
楽しんでいるが
息子は小さいときから
国旗が好きで
外国に行きたい
とずっと言い続けているので
いつかお金を貯めて
それで外国に行こうねと
話している
そして
人生をトータルで見ていらっしゃる
素敵な先生だなと思ったら
入学したらその先生が
息子の担任の先生になり
そして
二年生になっても
また担任の先生で
その先生には
絵に出会う前からずっと
息子には
健常も障害も関係なく
能力を発揮する世界がある
と思うんですよね
と何でもお話ししてきて
先生もいつも
そんな息子やわたしを
応援して下さっていたので
今のわたしたちを
本当に喜んで下さり
このご縁もこの言葉も
嬉しくて有り難くて
たまらないなと思う
