長男の退院がみえてきて、数カ月ぶりにお話を書きました。


みりれいをご存知ない方は、??ですが。

今の私を構成する50%ぐらいはみりれいなので、記録に。




🥺🥺🥺🥺🥺











「もうっ!さゆみさんってばなんてことしてくれるんですかっ!?」

 

ただいまも言わずに、れいちゃんが抱き着いてきた。

どんな反応をするだろうと、わくわくして待ってたけど、予想以上だ。

 

「わわっ。わわわっーーーっ!!」

「あっ。すみませんっ!喜びあまってつい。」

「ほんとだよ。怪我でもしたらどうしてくれるのっ!?」

「いやもう、それは責任をとって一生メンドウを・・・」

「それ。怪我しなくてもするつもりでしょ?反省の意味ないじゃない。」

 

勢いあまったれいちゃんに抱き着かれ、危うく己の頭を壁ドンするところだった。

・・・まあ、正統派壁ドンでれいちゃんが守ってくれたから良いけどね。

 

至近距離でれいちゃんのお目目がぱちくりと動き、睫毛がばっさばっさと揺れる。

すみません。と申し訳なさそうに眉をハの字に曲げられたらもうおしまい。

 

もう一緒に過ごした年数は2桁に届こうとしているのに。

未だにドギマギと心拍数が跳ねあがり、直視できなくなっちゃう。

 

「だってさ。この状況だし。おおっぴらに応援にかけつけるわけにいかないし。

画面越しでも良いから、ちゃんと応援したかったんだよ。」

 

ほんとは、劇場までかけつけて直接パワーを送りたい。

花組の先輩として、組子を見守りたい。

自惚れているつもりはないけど、私が劇場に足を運ぶことで・・・・

どれだけの混乱とリスクがあるかは自覚しているつもりだ。

 

「だから、ね。」

 

どれだけ遠く離れていても。

パワーを送り続けてるよ。

 

れいちゃんがこの困難な状況で、立派に28代目トップさんとして真ん中にしっかりと立っているように。

私も私のなすべきことをする。

花組の先輩として恥ずかしくないように、れいちゃんに負けないぐらいキラキラと輝いてみせる。

 

「もう、予想外にさゆみさんの顔と声を聞けただけで。。。

ダメですね。己を保てませんでした!」

 

私をガードしていた腕をほどいて、まるで少女のように胸を押さえる。

ほら。こういうところ。

純粋に素直にわかりやすく「嬉しい!」って感情を伝えてくれて。

我慢しきれずジタバタ足踏みしちゃうところなんて、ほんと可愛すぎるよ。

 

「ほんとにね。もうちょっと落ち着こうね。トップさんなんだから。」

 

本心では、れいちゃんらしい!と微笑ましいんだけど。

花組のみんなから愛され、愛して、キラキラオーラをまとったれいちゃんを見てると。。。

「私がいなくても大丈夫なんだ。」と、ちょっぴり寂しくなるのもまた事実。

そんな寂しさを察知してか天然なのか。

さゆみさんが一番で、トクベツで、大好きですっ!!!って表現してくれるから、安心するの。

 

「さゆみさん。」

「は、はい?」

 

急にオトナ色気ダダモレモードになった柚香さんが再び壁ドンで至近距離に迫ってくる。

先程のぱちぱちお目目と情けない眉と同じパーツとは思えない。

キリリと引き締まった目元と僅かに開いた唇に、思わずごっくんと喉を鳴らしてしまう。

 

「お詫び、です。」

 

片腕で私を囲い込みながら、片手で顎を掬い上げられ・・・

ゆっくりと、「れいちゃん」を移しこまれるようなキスをされる。

 

「は・・ふ。ん・・・ん。」

 

やわらかくあったかい質感。

いつでも触れた瞬間に私をとろけさせるくちびる。

お詫びだろうがご褒美だろうが理由なんてどーでもいい。

「れいちゃんに触れている」ことが、最高に幸せなのだから。

 

何度も角度を変え、なめらかに舌を絡ませ、しっくりくる場所を探す。

ふたりの体温が溶け合い、どちらのものかわからなくなる感触。

この瞬間が、ものすごく好き。幸せ。

 

「れい、ちゃん・・・。」

 

彼女の頭を抱き寄せ、もっと深く交われるように首を傾げる。

 

「落ち着け」って言ったからね。真面目に大人の余裕で誘ってくれたんだよね。

なのに、もうあっという間に吐息を乱して自分が無我夢中になってる。

私が与えているのか、れいちゃんが与えているのか。

きっとどっちもなんだろう。

きゅっと眉を寄せ、睫毛を震わせ、熱っぽい吐息を乱している彼女の表情に、私の熱情も更に煽られる。

 

カリっ。

 

我慢しきれないのは、私のほう。

交わるだけでは物足りなくて、れいちゃんの唇に噛みついてしまった。

 

「うっ。」と痛そうに一瞬息を詰めたれいちゃんが、私の限界を感じたのだろう。

壁で支えていた腕を私の腰にまわす。

あたたかくて大きな手のひらで曲線を包み込まれて、思わず身をよじる。

 

「さゆみさん。。。さゆみさん、ありがとうございます。」

 

どうしてこのタイミングで?と思うけれど、熱に浮かされたようなれいちゃんの瞳はまっすぐに私を射抜いている。

ああ。全力で「お慕い申し上げております。」はどんなときにも揺るぐことはないんだね。

 

繊細で、感受性が豊かすぎるゆえに落ち込みやすくて。

「相手」を思いやる余りに自分を見失う。

 

私とれいちゃんはどこか似ている。

だからこそ、私が揺るがないように全力で愛してくれるのだろう。

 

心無い言葉に傷つくことがあっても、れいちゃんのこの瞳に何度も救われた。

私を理解し、愛し抜いてれる人がここにいる。と信じることができた。

 

「・・・私こそ。ありがとう。」

 

再びれいちゃんの頭を抱き寄せ、今度は腕に閉じ込める。

 

「大好きな、大好きな、れいちゃん。私の、宝物。」

 

いつも心の中でつぶやいている言葉。

どうやら、声に出してしまっていたらしい。

 

腕の中のれいちゃんが、急に嗚咽をあげて泣き出す。

 

「わっ。わっ。ごめんねっ!?びっくりしたーっ。」

「びっくりしたのは私ですーっ。」

 

しゃくりあげるれいちゃんの頭をなでなでしながら、必死でなだめる。

オロオロしている自分がなんだか可笑しくて、笑えてしまった。

 

「どうしてここで笑うんですかっ!?」

「いや。かわいいなあ。と思って!私が。」

「えっ!?柚香がかわいい、んじゃないんですか?」

「んー・・・それは、ねえ。どうだろ?

れいちゃんはかわいいというより、忙しい?」

「何ですか。それ。」

 

泣いたり、笑ったり、感情表現が豊かで・・・飽きる暇がない。

長年一緒にいても、常に新鮮で、未だにどうして良いかわかんなくなっちゃう。

 

「ほら。汗だったり涙だったり。。とにかくいつも何か流してる感じだよね。」

「・・・ヒドイ。」

 

ほら。今も涙を浮かべながら、「ヒドイ」と満面の笑みを浮かべている。

 

お互いに大好きすぎて不器用な私たち。

これからも、ずっとずっと一緒にいようね。

 

どんなに遠く離れてても、心はすぐそばにいるよ。

 

トップお披露目公演、おめでとう。