月明りに照らされた首筋は、自ら発光しているかのごとく、透明だ。

指先でそっと触れると、ガラス細工が音を立てるように細かくふるえる。

 

頬に唇を寄せると、そっと睫毛を伏せ、憂いのかげりを落とす。

唇を押し当てるたびに、陶器のように真っ白だった肌がうっすらと染まる。

 

冷気を含んだ空気が、肌を時折撫でていく。

 

つい先日まで暑く、熱く、この肌を水晶のような雫が飾っていたというのに。

しとど落ちる汗さえも、きらめきに変えてしまう不思議なひと。

 

「愛してるよ。」

 

陳腐だけど、飾らない言葉をささやけば、どこまでもまっすぐな瞳で答えてくれる。

 

情熱的に求めれば、壊れてしまいそうなほど繊細で美しい。

 

何か、一つでも歯車が狂えば、静かにすべてが崩れ去ってしまうそうな己の内面。

全てを背負い、高め、それでも更に上を向いて歩き続けることができるのは。

 

ただひたすらに「強いひと」だと信じて支えてくれる貴方の存在ゆえ。

 

月の美神に愛された貴方の美しさは、太陽のような明るさで私を照らす。

どこまでもあたたかく、広く、生命に満ち溢れている。

 

確かにこの腕に抱いているのに、本当に抱かれているのは己のほうだ。

 

「おやすみ。」

 

嵐のように荒ぶっていた波が、凪いでゆくように。

この世のすべての苦しみを、貴方はすべて浄化してくれる。

 

さあ、二人だけの世界にまどろもう。

 

 

窓から差し込む月明りが、二人を一枚の絵の中に閉じ込める。

シーツにくるまれて穏やかな笑みをたたえる二人は、地上の女神のようだった。

 

 

 

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多くは語りません(笑)

自分の好きなCPで読んでくださいね。

 

久しぶりに詩のようなお話。だったので、読みにくいかもしれませんが。