「寒いっ!さむいさむいさむいさむい・・・・。」

 

一緒に撮影の待ち時間を過ごすのは貴重な時間だ。

堂々と、隣に並んで同じ空気を感じることができる。

 

・・・と、言ってもおしゃべりが上手でないぼくが、自分から積極的に話題を提供できるはずもなく。

無情にも時間だけが過ぎてゆく。

 

ほら。

 

他のスタッフさんの動向ばっかり目で追ってる。

 

肘と肘が触れ合うほどそばにいるのに。

 

「寒い。」

 

何気なくつぶやいた言葉。

 

音にしてしまえば、急に魔法の呪文のように思えてきて、連呼する。

 

 

「なんだよ。寒がりだな。」

 

ほら、振り向いてくれた。

 

 

「だって、冷え性なんだもん。」

「あったかい飲み物でもとってきてやろうか?」

 

「んー・・・。」

 

本当は、「冷えてるな。」とかって、大ちゃんのあったかい手で握りしめてほしい。

 

「入れよ。」とかって、有無を言わさず、大ちゃんのコートに入れてほしい。

 

「・・・うん。ありがと。」

 

 

でも、それは。

 

叶わない願い。

 

ぼくの心だけが知っている、ときめき。

 

 

切なさがせりがあってきて、熱い塊が喉から飛び出そうになる。

 

 

だけど。やっぱり。

 

 

「さむいよ~~。」

 

 

心の中とは裏腹に、枯れ葉がカサカサとぼくを笑うんだ。

 

 

 

うん。そうだね。

 

言葉にする勇気がもてない「おばかさん」なんだよ。

 

 

 

 

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かまってちゃんアピールをするまお。

深層心理はこうじゃなかったのかな。と(笑)