ぺろりん。
キッチンに立っていると、お尻を撫でられた。
電車の中の女子高生でもなし、我が家のキッチンでそんなことをする相手なんて一人しかいない。
いないけれど、そういうことをするキャラではないので、不意打ちに驚く。
「んん?」
振り返ろうとすると、今度はぎゅっと抱き着かれた。
「どした?まお。」
顔は見えないけれど、抱き着いてくる腕でわかる。
「・・・かっこいい・・・。」
背中に押し付けてくる頬が火照っている。
照れくさいのだろうか。
賞賛の言葉は惜しまないくせに、いつも自分の言葉に照れてうつむいてしまう。
「撫でたくなるぐらいいい尻だったか?」
「ごめん、つい。」
「あやまることじゃ、ないだろ?」
いつも控えめなまおが自分から仕掛けてくるなんて、俺の尻にも利用価値があったというものだ。
「後姿、かっこいいんだよね。エプロンしてると、腰のラインが強調されてさ。」
ああ。それで。
先日二人ででかけた喫茶店の制服のギャルソンエプロンがカッコいいとまおが言うので、リサーチして買っておいたのだ。
「お前の分もあるぞ?ってか、まおのほうが似合うと思うけど。」
「・・・うん、見てるほうがいい・・・。」
ファッションに関心のあるまおにしては、珍しい。
ほわほわとした受け答えに、火照った体・・・。
「って、お前、熱あるんじゃ!」
「んー・・・。大丈夫だよお。なんか気持ちいいもん。」
抱き着いていた腕は、力を籠めるとあっけなくほどけた。
ぽやあ、とした表情で見上げてくる視線は潤んでいる。
「気持ちいいの種類が違うだろっ!」
「うー・・・。おっきな声出さないで。頭、痛い・・・。」
俺に抱き着いたまま、ずるずると床にへたり込む。
「そういえば、お前職場で風邪はやってるとか言ってたじゃないか。」
「ん・・・。そうだっけ?」
ふにゃふにゃと鼻先を胸に押し付けてくる様は、自分の居所を探しているようだ。
「大丈夫だよ。俺は、お前のものだから。」
ひとつ、ひとつ、の単語を区切り、明瞭に、まおの心に響くように言ってやる。
まおは天邪鬼だ。
冷たくあしらうときほど、俺のことが好きでたまらないとささやいている。
まおらしく、自分が優位に立って、俺を翻弄する。
平常心でない時しか、素直に自分から求めてきたりはしない。
弱っているときに見せる本音。
不安。独占欲。
自分だけが触れることを許されているんだ、と確かめたくなる。
そんなまおの不安が透けて見えるときには、迷わず抱きしめてやればいい。
「ほら。ベッド行くぞ?」
「・・・うん・・・。」
へたり込んだまおを抱き上げると、首筋にすがりつてきた。
「・・・ごめんね。風邪うつっちゃう・・・。」
でも、ちょっとだけ。
小さく呟いて、小さな唇が伸びあがり、触れ合った。
*
「ここに、いて。」
毛布をかけて立ち去ろうとすると、腕をつかまれる。
「ああ。いくらでも。」
いつもお前の背中を見守るしかできない。
強く、自由で、自分の世界を飛び回っているから。
本当は、俺のほうこそ、お前を繋ぎ留めたいということをわかっているのだろうか。
たまには、すがりつかれるのもいい。
今日の予定は全てキャンセルしよう。
*
「わあっ!やっぱ大ちゃんのギャルソン姿かっこいいねえ!」
「お前も似合ってるぞ。」
まるで初めて見るような反応を示す。
あの朝のことは覚えていないようだ。
俺にすがりついてきたことも。
「大ちゃんってさあ。後ろ姿、かっこいいよね。」
「後だけか?」
「あっ。横顔も素敵だよっ!」
「・・・お前~~。正面を褒める気はないのかっ!」
「あーっ。いやいや、正面は言わなくても。ねっ??」
「ほんと、素直なヤツだなあ~っ!」
ヘッドロックをかけてやると、ギブギブと言いながらジタバタと暴れる。
・・・やっぱり、素直じゃないまおが、安心するな。
--------------------------------
ギャルソンエプロンのイラストに頂いたリエさんのコメントからお話しにしてみました^-^
・・・って方向性全然違いますよねっWWW
まおが尻撫でて、エロ・下ネタのほうに動かしたかったけど、動いてくれなかったW
最近心がけていること。
文章を短くっ!!
私、修飾語が多すぎて、どうしても文章がもたつくんですよね。
擬態語は外せないし。
それでも、最近はやっと少し短くできるようになりましたWW
ふわふわなのか、ぽやぽやなのか。ほわほわなのか。
ほら、似たような言葉なのに、受け取るイメージって違うでしょ?
せっかく日本人に生まれたんだから、ひらがな、の響きを大切にしたいのです^-^
看護学校のくせに、エッセイを書く、ってゆーゼミを取ることができて。
文章はできるだけ短く。文章の終わり方に変化をつける。
って習ったんだけど、~~だ。~~だ。って繰り返すと、
それはそれで淡々としていて、静止画でコマ送りしているような。
反対に、熱い熱情を押さえつけているような面白さがあるなあ。と発見!
ほんの気まぐれで書き始めたお話しだけど、文章を書くのが面白いかも、
と、思える今日この頃なのでした~~。
キッチンに立っていると、お尻を撫でられた。
電車の中の女子高生でもなし、我が家のキッチンでそんなことをする相手なんて一人しかいない。
いないけれど、そういうことをするキャラではないので、不意打ちに驚く。
「んん?」
振り返ろうとすると、今度はぎゅっと抱き着かれた。
「どした?まお。」
顔は見えないけれど、抱き着いてくる腕でわかる。
「・・・かっこいい・・・。」
背中に押し付けてくる頬が火照っている。
照れくさいのだろうか。
賞賛の言葉は惜しまないくせに、いつも自分の言葉に照れてうつむいてしまう。
「撫でたくなるぐらいいい尻だったか?」
「ごめん、つい。」
「あやまることじゃ、ないだろ?」
いつも控えめなまおが自分から仕掛けてくるなんて、俺の尻にも利用価値があったというものだ。
「後姿、かっこいいんだよね。エプロンしてると、腰のラインが強調されてさ。」
ああ。それで。
先日二人ででかけた喫茶店の制服のギャルソンエプロンがカッコいいとまおが言うので、リサーチして買っておいたのだ。
「お前の分もあるぞ?ってか、まおのほうが似合うと思うけど。」
「・・・うん、見てるほうがいい・・・。」
ファッションに関心のあるまおにしては、珍しい。
ほわほわとした受け答えに、火照った体・・・。
「って、お前、熱あるんじゃ!」
「んー・・・。大丈夫だよお。なんか気持ちいいもん。」
抱き着いていた腕は、力を籠めるとあっけなくほどけた。
ぽやあ、とした表情で見上げてくる視線は潤んでいる。
「気持ちいいの種類が違うだろっ!」
「うー・・・。おっきな声出さないで。頭、痛い・・・。」
俺に抱き着いたまま、ずるずると床にへたり込む。
「そういえば、お前職場で風邪はやってるとか言ってたじゃないか。」
「ん・・・。そうだっけ?」
ふにゃふにゃと鼻先を胸に押し付けてくる様は、自分の居所を探しているようだ。
「大丈夫だよ。俺は、お前のものだから。」
ひとつ、ひとつ、の単語を区切り、明瞭に、まおの心に響くように言ってやる。
まおは天邪鬼だ。
冷たくあしらうときほど、俺のことが好きでたまらないとささやいている。
まおらしく、自分が優位に立って、俺を翻弄する。
平常心でない時しか、素直に自分から求めてきたりはしない。
弱っているときに見せる本音。
不安。独占欲。
自分だけが触れることを許されているんだ、と確かめたくなる。
そんなまおの不安が透けて見えるときには、迷わず抱きしめてやればいい。
「ほら。ベッド行くぞ?」
「・・・うん・・・。」
へたり込んだまおを抱き上げると、首筋にすがりつてきた。
「・・・ごめんね。風邪うつっちゃう・・・。」
でも、ちょっとだけ。
小さく呟いて、小さな唇が伸びあがり、触れ合った。
*
「ここに、いて。」
毛布をかけて立ち去ろうとすると、腕をつかまれる。
「ああ。いくらでも。」
いつもお前の背中を見守るしかできない。
強く、自由で、自分の世界を飛び回っているから。
本当は、俺のほうこそ、お前を繋ぎ留めたいということをわかっているのだろうか。
たまには、すがりつかれるのもいい。
今日の予定は全てキャンセルしよう。
*
「わあっ!やっぱ大ちゃんのギャルソン姿かっこいいねえ!」
「お前も似合ってるぞ。」
まるで初めて見るような反応を示す。
あの朝のことは覚えていないようだ。
俺にすがりついてきたことも。
「大ちゃんってさあ。後ろ姿、かっこいいよね。」
「後だけか?」
「あっ。横顔も素敵だよっ!」
「・・・お前~~。正面を褒める気はないのかっ!」
「あーっ。いやいや、正面は言わなくても。ねっ??」
「ほんと、素直なヤツだなあ~っ!」
ヘッドロックをかけてやると、ギブギブと言いながらジタバタと暴れる。
・・・やっぱり、素直じゃないまおが、安心するな。
--------------------------------
ギャルソンエプロンのイラストに頂いたリエさんのコメントからお話しにしてみました^-^
・・・って方向性全然違いますよねっWWW
まおが尻撫でて、エロ・下ネタのほうに動かしたかったけど、動いてくれなかったW
最近心がけていること。
文章を短くっ!!
私、修飾語が多すぎて、どうしても文章がもたつくんですよね。
擬態語は外せないし。
それでも、最近はやっと少し短くできるようになりましたWW
ふわふわなのか、ぽやぽやなのか。ほわほわなのか。
ほら、似たような言葉なのに、受け取るイメージって違うでしょ?
せっかく日本人に生まれたんだから、ひらがな、の響きを大切にしたいのです^-^
看護学校のくせに、エッセイを書く、ってゆーゼミを取ることができて。
文章はできるだけ短く。文章の終わり方に変化をつける。
って習ったんだけど、~~だ。~~だ。って繰り返すと、
それはそれで淡々としていて、静止画でコマ送りしているような。
反対に、熱い熱情を押さえつけているような面白さがあるなあ。と発見!
ほんの気まぐれで書き始めたお話しだけど、文章を書くのが面白いかも、
と、思える今日この頃なのでした~~。