「わーっ!ケーキの差し入れだっ!」
「あー・・。俺の分食べてていいよ。」
「やったあ!じゃあ、チョコのといちごと・・・馬場っちはどれがいい?」
甘いもの好きのまおはケーキの差し入れに大喜びだ。
タッキーと俺は自称大人チームらしく若者たちに譲ることとする。
・・・って、馬場っちも大人チームだろうに、まおと一緒にはしゃぎまくっている。
「いいなあ。若いって。」
「何おじさんみたいなこと言ってんの。」
「や、だってさ。あのテンションはねーだろ?元気だよなあ。」
もはや、公園で遊ぶ子供を見守るおとーさんの気分だ。
「大ちゃんだってあーいう時代があったでしょうに。」
「どうかな?学生のノリとまたちょっと違うしな。」
サークルで同世代で盛り上がる飲み会には、悪ふざけ的要素てんこ盛りで。
ケーキの差し入れできゃっきゃするような乙女ちっくなかわいらしさはない。
「・・・若い、というより、かわいい、んだよな。」
「確かにね。」
タッキーと意見が合ったところで、大人チームはコーヒーだけでまったりすることにする。
ぱらぱらと雑誌をめくりながら、余裕のポーズではしゃぎまくる二人をほほえましく見つめる。
「まおっ!そのチョコの頂戴。」
「いいよ~。じゃあ、馬場っちのチーズのも味見させて。」
・・・・・。
ちんまり。
馬場っちの隣にさりげなく席を移動する。
あくまで、さりげなく、だ。
「何してるの?大ちゃん。」
「順番待ち。」
「何の?」
「あーんの。」
「あーん??」
きょとん、としているまお。
爆笑してる馬場っち。
「・・・悪いか。」
「や、悪くないけど。大ちゃん可愛すぎ。」
「ほんとにね。素直じゃないんだから。」
呆れるタッキー。
だって、だって、きゃきゃした乙女のノリであーんしあっている二人が羨ましかったんだもん!
ケーキには興味ないけどさっ!!
「ちゃんと並んだぞ。」
「うんうん。大ちゃん順番待ちして偉いねえ。ほら、まお君もエライエライしてあげなきゃ。」
「・・・??」
まだ意味が呑み込めないまおを取り残して、公園の順番ごっこよろしく、ケーキのあーん待ちごっこが始まる。
「ほらほら、大ちゃんがケーキほしいって。」
「なんだあ!さっき要らないって言ったのに、食べてるの見たら欲しくなったんだねえ!
ほら、あーん!」
条件反射で目の前に差し出されたスプーンにぱくついてしまったが。
「お前じゃなああああいっ!」
差し出されたのは馬場っちのスプーンだった。
俺で遊ぶのもたいがいにしろよな。
世界的な大富豪の長男だぞ?
おいそれと庶民は話しかけられないぐらいの王子様だぞ??
「ギイってば、金持ちのくせにやっぱりお茶目なキャラだったんだね。」
馬場っちのばっちりウインク付きでオチがついた。
ま、現場が盛り上がったし、いっか。
当の本人はぜーんぜん俺の好意には気がついてなさそうだが。
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最後の最後にならないとタクミクン現場だとわかんないオチでごめんなさいW
昨日が重めだったので、今日は楽しい感じにしてみました^-^