「さむっ・・・!」

カイロを両ポケットに入れても、凍えるような寒さだ。

「誰だ?暖冬だなんて、言ったの。」

はあっ!と一人こぼしたため息が白く染まる。

「うわっ!あっぶねーっ!!」

ぶつぶつと降り積もった雪に文句を言うことに気をとられていると、
つるっと滑りそうになって、せっかく両手に握っていたカイロが無残にも雪にめりこむ。

「思ったより、テンションあがんないもんだな。」

恋人が一緒に住んでいたころは、朝起きたら一面真っ白!な銀世界を発見した瞬間に、
まだ布団の中でぬくぬくと眠っている彼にダイブしたものだ。

「すげーよっ!すげーよっ!まおっ!めっちゃ積もってる!!!」
「・・・わあ。ほんとー・・・・。」

寝癖の髪をぴょこんと跳ねさせて、半覚醒だった寝ぼけ眼が、みるみるうちにキラキラと輝きだすのを見るのが、楽しかった。

滅多に積もるほどの雪なんて降らないから、スノーブーツなんて持ってないし、交通機関は乱れるし、撮影どうすんだよ!って危機感も忘れて二人ではしゃぎあっていた。

・・・ひとしきり、盛り上がったあとで、
「・・・大ちゃん!(・・・まお!)仕事っ!!」
って、顔を見合わせて真っ青になったりしたものだけど(笑)

一人目覚めた日は、カーテンを開けた瞬間こそ、一面の銀世界に一瞬感動したものの、現実的な困りごとのほうが一気にどよーんと押し寄せてきて、正直歓迎できない。

「いつだって、そう。だったよな・・・。」

2月の極寒の中でのロケでも、あいつが隣にいたから「待ち」の時間も楽しく感じられたし。
ひとり凍えた日でも、家に帰ればアイツの笑顔とぬくもりが待っている、と思えば頑張れた。

「なんでも、きもち次第。ってか?」

雪を踏みしめると、きしきしと音が鳴る。
そんな些細なことにも感動したのに。
一人ぶんだけ残らない足跡は、寂しさを募らせるばかりだ。

「同じ、そら。なのになー・・・。」

雨に変わりだしたどんよりとした灰色の空を恨めしく見上げる。

アイツと見上げた灰色の空は、どうしてあんなに美しいもの生みだす魔法のそらに見えたのだろう・・・・。


「まお。会いたいよ・・・・。」





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おーっ!
珍しく、二日続けてお話らしきものをかいてみました^^

どうも心身ともに元気じゃないからか??ネガティブ思考なお話になってしまいますW

それでも、昨日のお話で、まだこのブログで大まおのお話を読んでくださっている方がいるんだなあ。と嬉しくなってがんばってみました^^