どうしてか、同室になると落ちつかないヤツがいる。
仕事でも、プライベートでも、相部屋なんて初めてじゃないのに。
部屋にはいるなり、ベッドにヤツがダイブする。
「つっかれた~~。」
「おい!そのまま寝るなよ?疲れが取れないぞ!風呂に入ってから・・。」
ゆさゆさと揺り動かしてみるが、「んん・・・。」と生返事を返すのみ。
「まったく、しょーがないなあ。」
撮影のときは誰よりもアンテナを張りまくってエネルギーを消費しているぶん、
疲れも人一倍なのだろう。
「がんばってるもんな。お前。」
そっと髪に触れると、ふっと顔の表情が緩む。
決して険しい顔をしていたわけではないけれど、硬いつぼみがほどけるようにふわ。と和らいだ表情を見て、やっぱり緊張していたんだな。と思う。
「ん・・。きもち・・・いい・・・。」
半ば寝言のようにささやいて、子猫のように甘えた仕草を見せる姿に、胸の奥がひきつれるような痛みを覚えた。
髪に触れるだけじゃなくて、力強く締めたいような。
指先だけじゃなくて、唇で肌に触れたいような。
「・・・馬鹿だろ。俺。」
後輩にちょっと心を許してもらったからって、ちょっと甘えられたからって、その気になるなんておかしい。
二人っきりの空間だとわかっていて、コイツが急に緊張をほどくからおかしな気分になっているんだ。
仲のよい仕事仲間と相部屋。
たったそれだけのことだ。
何度も経験したことがあることで、トクベツなことじゃない。
仕事以外の顔を知ったことだって、たくさんある。
・・・なのに、どうしてコイツだけは違うのだろう?
髪に絡めた指先を、そのまま項にもっていって引き寄せたくなる衝動をこらえ、引きはがす。
「風呂だろ?風呂・・・・。」
もともと頼られるとか、世話を妬く。ということが好きだからだ。
人一倍尊敬と信頼を寄せてくれて、ふいに甘えられて、心がくすぐられているだけだ。
たくさんの仕事仲間の中で、他のやつよりちょこっと気持ちのウエイトが大きいだけ。
よくわからない感情に、色々理由をこじつけて自分自身にいい訳してみるが、どれもすっきり説明できない。
それでも、勢いよく噴出した湯とともに、少しだけ自分の中にわだかまっていたものが流れてゆくような気がした。
・・・どんな理由であれ、まおがトクベツってのは、確かなんだろうな・・。
バスタブにお湯を張って部屋に戻ってくると、まおが本格的にすぴすぴと寝息をたてて眠っていた。
「コイツ~~。人の気も知らないで、呑気に寝やがって!」
・・・人の気を知らないからこそ、寝ていられるのだろうが。
気持ちいい、と感じている俺の指先が、もっと他のところにも触れたい、などと思っているとわかれば、こんなふうに無防備な寝顔をさらすことなんてできないだろう。
「・・・まお?風呂、入んないのか?」
髪の毛をかきわけ、耳たぶを軽くひっぱってみたが反応がない。
「・・・まお?おーいっ。まおちゃ~~ん。」
起きているときであれば、ちょこっとつっつくだけでも身をよじりまくって悶える脇腹をくすぐってみるけど、寝息が乱れることさえない。
「・・・どんなけ爆眠してんだよ。」
なかなか目を覚まさないまおに、指先の動きが段々と大胆なものになってくる。
ジャージのすそをまくりあげ、脇腹に手のひらを這わす。
服の上からではどこが尻なのかわからないぐらい小さい尻を見つけ出し、むにむにともみほぐす。
「ん・・・。」
さすがに違和感を感じたのか、まおの唇が吐息と共に小さく開く。
「お~。やっと起き・・・・た・・・か。」
睫毛を震わせて半覚醒しようとしているまおを見た途端に、すいこまれるように顔を近づけていた。
やわらかくて、あたたかいかんしょく。
ふわ。と鼻腔を掠めた甘い香りに、今触れたものがまおの唇だったのだと認識する。
自覚した途端、心臓がばくばくとうるさいほどに走りだす。
テンパッっている俺の横で、唇を奪われた当の本人はごろりと寝返りを打って、また幸せそうに寝息を立てはじめている。
「おまっ!!」
ぱっちり覚醒されて「どうしてキスなんかしたの?」と問いただされても困るけど!
醜態をさらしたときに、誰にも訴えることのできないこの気まずさ。
無邪気な寝顔をぐしゃぐしゃに掻き乱したくなって、鼻を思いっきりつかんでやる。
「・・・・んっ!んんんっ!!」
息ができなくなったまおが、眉を寄せ、首を横に振る。
それでも瞼はあけようとしない。
「・・・お前、そんなに無防備に寝てたら、襲われるぞ。」
まおに当たり散らすなんてオカド違いもいいところだけど、あまりにも警戒心がなさすぎてムカついてくる。
俺が一人で悶々と抱えている苦悩はなんなんだ?と、馬鹿らしくなってくる。
「んふっ・・・。いいよお・・。大ちゃんなら・・・。」
すらりとした腕がのびてきて、俺の首筋に絡みつく。
まだ夢の中にいるようなとろんとした目がうっすらと開いたかと思うと、
それだけ言ってまたすぴすぴと寝息を立て始めた。
「ちょっ!まおっ!!今のどーゆー・・・・。」
意味だ?と聞き返す暇もなく、また一人ぼっちにされた俺。
「くっそー・・・。」
いいよ。と言われても、眠っているかわいい後輩に本当に手を出せるわけもなく。
久しぶりに。
右手のお世話になった。
・・・まおの寝顔をおかずに。とは口が裂けても言えないけどな。
----------------------------------------------
あり?仮タイトルで「誘い受け」とつけたのですが。
もともとは、この起きてから。が描きたくて、まおが「いいよお・・」と誘ってめくるめく~に持ち込む予定だったのですが、なぜだか大ちゃんが右手のお世話になるハメに・・・。
ごめんね~大ちゃん。久しぶりの大まおだったのにWW
最近、全ての創作意欲がなくて、お話も浮かんでこなければ、イラストもかきたい。と思えませんWW
うーー。もったいない。せっかくのお休みだから、がんがんかこう!と思っていたのに~~。
ま、こういう人間なんです(笑)
はまっているときは、もういいよ~~。ってぐらい次々に浮かんでくるのですが(笑)
腱鞘炎になっても、サポーターしてでもお話かいてたもんなあW
それでも、ちょこっと描きはじめるとちゃんと大まおさんも動いてくれるので^^
卒業します。宣言はしませんがWW
なーんか、かきたくてたまんなくなるような萌落ちてないかなあ・・・。
仕事でも、プライベートでも、相部屋なんて初めてじゃないのに。
部屋にはいるなり、ベッドにヤツがダイブする。
「つっかれた~~。」
「おい!そのまま寝るなよ?疲れが取れないぞ!風呂に入ってから・・。」
ゆさゆさと揺り動かしてみるが、「んん・・・。」と生返事を返すのみ。
「まったく、しょーがないなあ。」
撮影のときは誰よりもアンテナを張りまくってエネルギーを消費しているぶん、
疲れも人一倍なのだろう。
「がんばってるもんな。お前。」
そっと髪に触れると、ふっと顔の表情が緩む。
決して険しい顔をしていたわけではないけれど、硬いつぼみがほどけるようにふわ。と和らいだ表情を見て、やっぱり緊張していたんだな。と思う。
「ん・・。きもち・・・いい・・・。」
半ば寝言のようにささやいて、子猫のように甘えた仕草を見せる姿に、胸の奥がひきつれるような痛みを覚えた。
髪に触れるだけじゃなくて、力強く締めたいような。
指先だけじゃなくて、唇で肌に触れたいような。
「・・・馬鹿だろ。俺。」
後輩にちょっと心を許してもらったからって、ちょっと甘えられたからって、その気になるなんておかしい。
二人っきりの空間だとわかっていて、コイツが急に緊張をほどくからおかしな気分になっているんだ。
仲のよい仕事仲間と相部屋。
たったそれだけのことだ。
何度も経験したことがあることで、トクベツなことじゃない。
仕事以外の顔を知ったことだって、たくさんある。
・・・なのに、どうしてコイツだけは違うのだろう?
髪に絡めた指先を、そのまま項にもっていって引き寄せたくなる衝動をこらえ、引きはがす。
「風呂だろ?風呂・・・・。」
もともと頼られるとか、世話を妬く。ということが好きだからだ。
人一倍尊敬と信頼を寄せてくれて、ふいに甘えられて、心がくすぐられているだけだ。
たくさんの仕事仲間の中で、他のやつよりちょこっと気持ちのウエイトが大きいだけ。
よくわからない感情に、色々理由をこじつけて自分自身にいい訳してみるが、どれもすっきり説明できない。
それでも、勢いよく噴出した湯とともに、少しだけ自分の中にわだかまっていたものが流れてゆくような気がした。
・・・どんな理由であれ、まおがトクベツってのは、確かなんだろうな・・。
バスタブにお湯を張って部屋に戻ってくると、まおが本格的にすぴすぴと寝息をたてて眠っていた。
「コイツ~~。人の気も知らないで、呑気に寝やがって!」
・・・人の気を知らないからこそ、寝ていられるのだろうが。
気持ちいい、と感じている俺の指先が、もっと他のところにも触れたい、などと思っているとわかれば、こんなふうに無防備な寝顔をさらすことなんてできないだろう。
「・・・まお?風呂、入んないのか?」
髪の毛をかきわけ、耳たぶを軽くひっぱってみたが反応がない。
「・・・まお?おーいっ。まおちゃ~~ん。」
起きているときであれば、ちょこっとつっつくだけでも身をよじりまくって悶える脇腹をくすぐってみるけど、寝息が乱れることさえない。
「・・・どんなけ爆眠してんだよ。」
なかなか目を覚まさないまおに、指先の動きが段々と大胆なものになってくる。
ジャージのすそをまくりあげ、脇腹に手のひらを這わす。
服の上からではどこが尻なのかわからないぐらい小さい尻を見つけ出し、むにむにともみほぐす。
「ん・・・。」
さすがに違和感を感じたのか、まおの唇が吐息と共に小さく開く。
「お~。やっと起き・・・・た・・・か。」
睫毛を震わせて半覚醒しようとしているまおを見た途端に、すいこまれるように顔を近づけていた。
やわらかくて、あたたかいかんしょく。
ふわ。と鼻腔を掠めた甘い香りに、今触れたものがまおの唇だったのだと認識する。
自覚した途端、心臓がばくばくとうるさいほどに走りだす。
テンパッっている俺の横で、唇を奪われた当の本人はごろりと寝返りを打って、また幸せそうに寝息を立てはじめている。
「おまっ!!」
ぱっちり覚醒されて「どうしてキスなんかしたの?」と問いただされても困るけど!
醜態をさらしたときに、誰にも訴えることのできないこの気まずさ。
無邪気な寝顔をぐしゃぐしゃに掻き乱したくなって、鼻を思いっきりつかんでやる。
「・・・・んっ!んんんっ!!」
息ができなくなったまおが、眉を寄せ、首を横に振る。
それでも瞼はあけようとしない。
「・・・お前、そんなに無防備に寝てたら、襲われるぞ。」
まおに当たり散らすなんてオカド違いもいいところだけど、あまりにも警戒心がなさすぎてムカついてくる。
俺が一人で悶々と抱えている苦悩はなんなんだ?と、馬鹿らしくなってくる。
「んふっ・・・。いいよお・・。大ちゃんなら・・・。」
すらりとした腕がのびてきて、俺の首筋に絡みつく。
まだ夢の中にいるようなとろんとした目がうっすらと開いたかと思うと、
それだけ言ってまたすぴすぴと寝息を立て始めた。
「ちょっ!まおっ!!今のどーゆー・・・・。」
意味だ?と聞き返す暇もなく、また一人ぼっちにされた俺。
「くっそー・・・。」
いいよ。と言われても、眠っているかわいい後輩に本当に手を出せるわけもなく。
久しぶりに。
右手のお世話になった。
・・・まおの寝顔をおかずに。とは口が裂けても言えないけどな。
----------------------------------------------
あり?仮タイトルで「誘い受け」とつけたのですが。
もともとは、この起きてから。が描きたくて、まおが「いいよお・・」と誘ってめくるめく~に持ち込む予定だったのですが、なぜだか大ちゃんが右手のお世話になるハメに・・・。
ごめんね~大ちゃん。久しぶりの大まおだったのにWW
最近、全ての創作意欲がなくて、お話も浮かんでこなければ、イラストもかきたい。と思えませんWW
うーー。もったいない。せっかくのお休みだから、がんがんかこう!と思っていたのに~~。
ま、こういう人間なんです(笑)
はまっているときは、もういいよ~~。ってぐらい次々に浮かんでくるのですが(笑)
腱鞘炎になっても、サポーターしてでもお話かいてたもんなあW
それでも、ちょこっと描きはじめるとちゃんと大まおさんも動いてくれるので^^
卒業します。宣言はしませんがWW
なーんか、かきたくてたまんなくなるような萌落ちてないかなあ・・・。