寝袋に包まって、地面に寝転ぶ。
何もない空。
真っ黒で、静かで。いつも、ただそこにある。
そこにまるで生きているかのように、無数に散りばめられた星。
たくさんの人間の中にいても、自分が一人ぼっちであるような気がしていても。
この星空を見上げると、「独りでも大丈夫。」と思えた。
独りで見上げる空も、大好きだったけれど。
同じことを感じる人が隣にいる、ということが嬉しい。
特に何を話す。と言うわけではないのだけれど、同じ空を見上げている。
と、言うだけで頼りなかった心が居場所を見つけたように薙いでゆくのがわかった。
防寒しているとは言え、秋の夜更けは随分と寒く、寝転んでいると背中から冷気が伝わってくる。
「・・・背中が冷たいですね。」
「そのぶん、空気が澄んでるから、星観にはぴったりだけどね。」
空を見上げながら、そっと指先が触れる。
気配だけで、アルタイルが身体の向きを変えたのがわかった。
・・・顔の右側だけが、アツイ。
「・・・ほんとだ。指先が、冷たい。」
最初は触れるだけだった指先が、きゅっと引き寄せられて掌に握りこまれる。
トクン。と僅かに高鳴った心臓ごと、包み込むように。
「あ・・・。」
引っ張られた指先に心が引きずられるようにして、思わず彼の顔を見る。
暗くて表情はわからなかったけれど、唐突にキスがしたい。と思った。
行為が目的で誘いの乗る男たちとは明らかに違う。
星空に感動して、満たされた心を感じとったから。
同じ気持ちを共有していますか?
好き。と伝えてもいいですか?
口づけようと、半身を起こしかけたとき、ふわり。と温かい体温に包まれて。
やわらかな感触が唇に押し当てられた。
何もない空。
真っ黒で、静かで。いつも、ただそこにある。
そこにまるで生きているかのように、無数に散りばめられた星。
たくさんの人間の中にいても、自分が一人ぼっちであるような気がしていても。
この星空を見上げると、「独りでも大丈夫。」と思えた。
独りで見上げる空も、大好きだったけれど。
同じことを感じる人が隣にいる、ということが嬉しい。
特に何を話す。と言うわけではないのだけれど、同じ空を見上げている。
と、言うだけで頼りなかった心が居場所を見つけたように薙いでゆくのがわかった。
防寒しているとは言え、秋の夜更けは随分と寒く、寝転んでいると背中から冷気が伝わってくる。
「・・・背中が冷たいですね。」
「そのぶん、空気が澄んでるから、星観にはぴったりだけどね。」
空を見上げながら、そっと指先が触れる。
気配だけで、アルタイルが身体の向きを変えたのがわかった。
・・・顔の右側だけが、アツイ。
「・・・ほんとだ。指先が、冷たい。」
最初は触れるだけだった指先が、きゅっと引き寄せられて掌に握りこまれる。
トクン。と僅かに高鳴った心臓ごと、包み込むように。
「あ・・・。」
引っ張られた指先に心が引きずられるようにして、思わず彼の顔を見る。
暗くて表情はわからなかったけれど、唐突にキスがしたい。と思った。
行為が目的で誘いの乗る男たちとは明らかに違う。
星空に感動して、満たされた心を感じとったから。
同じ気持ちを共有していますか?
好き。と伝えてもいいですか?
口づけようと、半身を起こしかけたとき、ふわり。と温かい体温に包まれて。
やわらかな感触が唇に押し当てられた。