のどかな銀杏並木が、レンガ作りの門を彩る。
抜けるように青い空と、爽やかに吹き抜ける風。
晴れやかであればあるほど、自分の存在が後ろめたく下を向いて歩いていた。
彼と出会ってから努力しなくても、自然に息ができる気がする。
みんなと同じように、普通に道を歩いてもいい気がする。
「空って気配りの人だよなあ。」
自己主張をせずに何でも人に譲ってしまう性格を、何も知らない友人はそう形容するけれど、
本当は自分に自信が持てないだけの臆病者だった。
「せっかくの学生生活を楽しまなくて、どうする!!」
と、講義が終るや否や、日向に引っ張られるようにして誘われたカラオケ。
今夜はアルタイルと星空を見に行く約束をしていたけれど、日が暮れるまではまだまだ時間がある。
独りで時間が過ぎるのを待つには、緊張しすぎて身がもたないような気がして、多少強引なぐらいの誘いが嬉しかった。
絵に描いたような背景に溶け込むようにして、大学の門にもたれかかってたたずむ人物が目に入り、足が動かなくなる。
「わっ。」
「どうしたんだよ~~。急に。」
急に立ち止まったぼくに引っ張られるようにして、日向が後ろのめりに倒れてくる。
ごめん、と謝ることすら忘れて、彼のほうをじっと見詰める。
「待ちきれなくて。」
いつも夜の闇の中でしか会ったことのない人物が、真っ青な空のしたでふわりと笑う。
何も後ろめたいことなんてないんだよ。と諭してくれるように。
「何?この人と知り合い?」
あまりのオドロキに返事もできずにつったっていると、日向の声で我に返った。
「あ・・・。うん。ほら、星空を見に行く約束をしてた・・・。」
「春日です。」
さらり。と告げられた本名に戸惑いとショックを隠せない。
ネットで知り合った同じ趣味の人と出かけるんです。と言えば、大抵の人は納得するだろう。
年齢が違うだとか、同性同士で出かけるなんておかしい。
だなんて疑問は持たないに違いない。
事実。
ぼくと彼の間には後ろめたいことなんて何も存在しない。
・・・まだ。
何かがおきてほしい。と願っているのはぼくだけで、彼にとっては趣味の合う友人でしかないのだろうか。
こんな青空の下でさらりと本名が言えてしまうぐらいの関係なのだろうか?
よく考えれば、お互いに好意をはっきりと言葉にしたことがない。
・・・しんどい。
闇に慣れた人間が、明るい太陽の下で歩こうとした。
よちよちあるきの赤ん坊のように。
まぶしさに慣れていない人間には、ほんの少しの出来事がとてつもなく怖い。
「・・・どうした?急に押しかけて迷惑だった??」
心配そうに顔をのぞく彼に、ふるふると首を横にふるのが精一杯だった。
・・・チガウ。
本当は、嬉しい。
当たり前に青空の下で待ち合わせをして、臆することなく友人に紹介する。
夢にみていたはずだったのに、あまりにも彼が真っ直ぐで、迷いがなくて。
・・・幸せに慣れていないぼくには、怖かった。
-----------------------------------------------------
うーん・・・。
迷走しております・・・。
久しぶりすぎて、誰?だ思いますが(笑)
大丈夫です。描いている私も誰?と思いながら描いていますので(笑)
一月からほったらかしだったのですが、ラストはあるお話なので、どうラストに繋げようかと思案中W
抜けるように青い空と、爽やかに吹き抜ける風。
晴れやかであればあるほど、自分の存在が後ろめたく下を向いて歩いていた。
彼と出会ってから努力しなくても、自然に息ができる気がする。
みんなと同じように、普通に道を歩いてもいい気がする。
「空って気配りの人だよなあ。」
自己主張をせずに何でも人に譲ってしまう性格を、何も知らない友人はそう形容するけれど、
本当は自分に自信が持てないだけの臆病者だった。
「せっかくの学生生活を楽しまなくて、どうする!!」
と、講義が終るや否や、日向に引っ張られるようにして誘われたカラオケ。
今夜はアルタイルと星空を見に行く約束をしていたけれど、日が暮れるまではまだまだ時間がある。
独りで時間が過ぎるのを待つには、緊張しすぎて身がもたないような気がして、多少強引なぐらいの誘いが嬉しかった。
絵に描いたような背景に溶け込むようにして、大学の門にもたれかかってたたずむ人物が目に入り、足が動かなくなる。
「わっ。」
「どうしたんだよ~~。急に。」
急に立ち止まったぼくに引っ張られるようにして、日向が後ろのめりに倒れてくる。
ごめん、と謝ることすら忘れて、彼のほうをじっと見詰める。
「待ちきれなくて。」
いつも夜の闇の中でしか会ったことのない人物が、真っ青な空のしたでふわりと笑う。
何も後ろめたいことなんてないんだよ。と諭してくれるように。
「何?この人と知り合い?」
あまりのオドロキに返事もできずにつったっていると、日向の声で我に返った。
「あ・・・。うん。ほら、星空を見に行く約束をしてた・・・。」
「春日です。」
さらり。と告げられた本名に戸惑いとショックを隠せない。
ネットで知り合った同じ趣味の人と出かけるんです。と言えば、大抵の人は納得するだろう。
年齢が違うだとか、同性同士で出かけるなんておかしい。
だなんて疑問は持たないに違いない。
事実。
ぼくと彼の間には後ろめたいことなんて何も存在しない。
・・・まだ。
何かがおきてほしい。と願っているのはぼくだけで、彼にとっては趣味の合う友人でしかないのだろうか。
こんな青空の下でさらりと本名が言えてしまうぐらいの関係なのだろうか?
よく考えれば、お互いに好意をはっきりと言葉にしたことがない。
・・・しんどい。
闇に慣れた人間が、明るい太陽の下で歩こうとした。
よちよちあるきの赤ん坊のように。
まぶしさに慣れていない人間には、ほんの少しの出来事がとてつもなく怖い。
「・・・どうした?急に押しかけて迷惑だった??」
心配そうに顔をのぞく彼に、ふるふると首を横にふるのが精一杯だった。
・・・チガウ。
本当は、嬉しい。
当たり前に青空の下で待ち合わせをして、臆することなく友人に紹介する。
夢にみていたはずだったのに、あまりにも彼が真っ直ぐで、迷いがなくて。
・・・幸せに慣れていないぼくには、怖かった。
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うーん・・・。
迷走しております・・・。
久しぶりすぎて、誰?だ思いますが(笑)
大丈夫です。描いている私も誰?と思いながら描いていますので(笑)
一月からほったらかしだったのですが、ラストはあるお話なので、どうラストに繋げようかと思案中W