「大ちゃん。あのね。
・・・やっぱり、大ちゃんのこと、好きだよ。」
・・・本当に。
どこまで頑固で真っ直ぐなのだろう。まおは。
「恋人を演じたから好きになったんじゃないよ?
そりゃ、意識するきっかけにはなったかもしれないけど。
部長だと思ってたころから、憧れてて、大ちゃんみたいになりたい。って思ってたし。
・・・女の子とも、付き合ってみたけど、大ちゃんといるときみたいなドキドキは感じなかった。」
続いたまおの言葉に正直びっくりした。
行動派だとは思っていたが、俺の言葉を真っ直ぐに受止めて、実行していたとは。
やはり、お前にとって俺は、「全て正しい先輩」なのだろう。
「・・・。あのさ。まお。
17歳から見たら、俺なんて大人で当たり前だぞ?
男に惚れるなんて、簡単なことじゃない。映画の中みたいに綺麗ごとだけじゃない。
損したり傷つくことのほうが多いんだぞ?
そんな道をわざわざ選ばなくても、お前ならまだたくさん・・・」
まおの本心はどこにあるのか?
どうすれば、軌道修正してやれるのか。
正しい道にひっぱってやろうとしても、頑丈な鋼のように動こうとしない。
「もう、十分わかったよ。大ちゃんがどんなにぼくのことを心配してくれてるのかは。
ぼくが聞きたいのはそんなことじゃない。」
いつもは自分の感情を露にしないまおが、段々と声を荒げ口論のようになってくる。
振り絞るような声で苦しそうに吐き出された言葉に、はっとする。
「好きになってほしい。とも言ってない。
・・・ただ、ぼくが大ちゃんのことを好きだって気持ちを認めてほしいだけ、なんだ・・・。」
まおだって十分わかっていたんだ。
告白してハッピイになって終わり、ではないことを。
見返りを求めずに、ただ自分の感情だけと真摯に向き合って。
勘違いなのだろうか?と自問自答して答えを出した。
差し出された穢れなき純粋な心を俺は見ようともしなかった。
自分がどうしたいのか?などと考えもせずに、まおに全てを背負わせようとしていた。
「まおが不幸になる。まおの勘違い。」
この細い肩にそうやって全てを押し付けて・・・。
「お前に覚悟はあるのか?」と問うていた。
自分にまおと向き合う自信がないから、逃げ続けていた。
何をやっていたんだ?俺は。
「・・・大ちゃん?・・・怒った?」
「・・・いや・・・。」
返事をすることもできずに押し黙っていると、沈黙に耐えかねたまおがおそるおそる声をかけてくる。
怒ってなど、いない。
激しく頭が混乱していて、今の自分の感情をうまく表現することができなかった。
「色々と、ごめんな。」
やっと紡ぐことができたのは、たったこれだけで。
「ううん。謝ることじゃないよ。やっと受止めてくれて、ありがとう。
もう、困らせないから。勝手に好きでいるぐらいは、いいよね?」
「好きだ。」って気持ちを認めてくれただけで十分だから。
と、勝手に自己完結しているまおが、離れてゆきそうで、焦る。
俺は、今からどうしたいんだ??
やっと、スタート地点に立ったばかりだというのに。
「・・・いや。ちょっと考えさせてくれ。今は頭が混乱してて・・・。」
「無理しなくていいよ?」
ふわ。と電話の向こうのまおが笑った気がした。
「・・・ありがとう。じゃあ、またお仕事でね?」
「・・・ああ。」
まおの優しさが、身に沁みて。
頭は混乱したままなのに、熱い感情が次から次へと湧き出てきて・・・。
涙が、止まらなかった。
・・・やっぱり、大ちゃんのこと、好きだよ。」
・・・本当に。
どこまで頑固で真っ直ぐなのだろう。まおは。
「恋人を演じたから好きになったんじゃないよ?
そりゃ、意識するきっかけにはなったかもしれないけど。
部長だと思ってたころから、憧れてて、大ちゃんみたいになりたい。って思ってたし。
・・・女の子とも、付き合ってみたけど、大ちゃんといるときみたいなドキドキは感じなかった。」
続いたまおの言葉に正直びっくりした。
行動派だとは思っていたが、俺の言葉を真っ直ぐに受止めて、実行していたとは。
やはり、お前にとって俺は、「全て正しい先輩」なのだろう。
「・・・。あのさ。まお。
17歳から見たら、俺なんて大人で当たり前だぞ?
男に惚れるなんて、簡単なことじゃない。映画の中みたいに綺麗ごとだけじゃない。
損したり傷つくことのほうが多いんだぞ?
そんな道をわざわざ選ばなくても、お前ならまだたくさん・・・」
まおの本心はどこにあるのか?
どうすれば、軌道修正してやれるのか。
正しい道にひっぱってやろうとしても、頑丈な鋼のように動こうとしない。
「もう、十分わかったよ。大ちゃんがどんなにぼくのことを心配してくれてるのかは。
ぼくが聞きたいのはそんなことじゃない。」
いつもは自分の感情を露にしないまおが、段々と声を荒げ口論のようになってくる。
振り絞るような声で苦しそうに吐き出された言葉に、はっとする。
「好きになってほしい。とも言ってない。
・・・ただ、ぼくが大ちゃんのことを好きだって気持ちを認めてほしいだけ、なんだ・・・。」
まおだって十分わかっていたんだ。
告白してハッピイになって終わり、ではないことを。
見返りを求めずに、ただ自分の感情だけと真摯に向き合って。
勘違いなのだろうか?と自問自答して答えを出した。
差し出された穢れなき純粋な心を俺は見ようともしなかった。
自分がどうしたいのか?などと考えもせずに、まおに全てを背負わせようとしていた。
「まおが不幸になる。まおの勘違い。」
この細い肩にそうやって全てを押し付けて・・・。
「お前に覚悟はあるのか?」と問うていた。
自分にまおと向き合う自信がないから、逃げ続けていた。
何をやっていたんだ?俺は。
「・・・大ちゃん?・・・怒った?」
「・・・いや・・・。」
返事をすることもできずに押し黙っていると、沈黙に耐えかねたまおがおそるおそる声をかけてくる。
怒ってなど、いない。
激しく頭が混乱していて、今の自分の感情をうまく表現することができなかった。
「色々と、ごめんな。」
やっと紡ぐことができたのは、たったこれだけで。
「ううん。謝ることじゃないよ。やっと受止めてくれて、ありがとう。
もう、困らせないから。勝手に好きでいるぐらいは、いいよね?」
「好きだ。」って気持ちを認めてくれただけで十分だから。
と、勝手に自己完結しているまおが、離れてゆきそうで、焦る。
俺は、今からどうしたいんだ??
やっと、スタート地点に立ったばかりだというのに。
「・・・いや。ちょっと考えさせてくれ。今は頭が混乱してて・・・。」
「無理しなくていいよ?」
ふわ。と電話の向こうのまおが笑った気がした。
「・・・ありがとう。じゃあ、またお仕事でね?」
「・・・ああ。」
まおの優しさが、身に沁みて。
頭は混乱したままなのに、熱い感情が次から次へと湧き出てきて・・・。
涙が、止まらなかった。