それでも、世間に初めて公表されるときには、緊張した。

世の中の動きとして、BLというジャンルが確立してきている。という情報は耳にしてはいたけれど。
実際に自分の周りにそういうジャンルを好む人種はいなかったし。
おたくな一部の人種にしか受けいられないのじゃないか?という不安もあった。

自分が学生だった時代を振り返ると
「オカマ?ホモ?やだっ。気持ちわるーいっ!」って反応のほうが、正解だった気がする。

もちろん、自分たちの取り組んだ作品に誇りをもっていたし。
恋愛・・・に関わらず、自由意志というものがあるのだから、偏見をもつつもりもない。
どうしても、キスは本当にしたのか?とか、そんな方面にばかり注目されがちだけれど、
人を愛する、大切に思う、という気持ちは高貴なものであるはずだ。


テニミュのメンバーは悪意がなく、むしろまおが可愛くて仕方がないからからかい倒していいたのだろうし。
まおもそれを十分にわかっていたから、対処に困りながらもどこか嬉しそうだった。
同じ演じるもの、としての立場と、学校のクラスメートという立場では、視点というものが違う。

ましてや、俺と違っていちいち素直に全て受止めてしまうまおのことだから。
心無い言葉を投げかけられたら、全力で傷つくのだろう。

・・・愛おしい。可愛い。守ってやらなきゃ。

記者会見があるたびに、そう意識していたけれど。

弄られても、恥ずかしい~。とはにかみながら、ぱたぱたと顔をあおいでいるまおを見て。

まおは、本当はとても強いことを思い出した。

泣きながら悔しさに唇を噛み締めても、決して自暴自棄になったりすることはなかった。
未熟な自分に苛立ちながらも、必死でみんなについていこうとした。
コンプレックスを強さに変えれるバネがある。


「・・・ああ。だから。」

惹かれてやまないのだろう。

はかなげにさえ見える愛らしさと、強い男らしさ。

お前が4代目メンバーで誇りに思うよ。