大ちゃんからのメールが届く。
ドキドキしながら開くと、ごはんのお誘いだった。

<他にも声かけてるけど。みんなの都合が合えばいいな。
まおも、楽しみだろ?>

なんて、余計な一文がついている。

そりゃ、4代目メンバーに会いたくないわけじゃ、ないよ?
でもね。大ちゃんからのお誘いなら、二人っきりがいいのに。

毎日心をざわつかせているなんて、これぽっちも気がついてないんだろうな。
と、思うと、悔しくて、悲しい。

一日中、わけのわかんない感情にふりまわされているのはぼくだけで、
大ちゃんは今までと何ひとつ変わらない日常を送っているのだろう。


・・・こっちのほうが、いいかな?

最近、鏡の前に立つ時間が長くなった。

別に、毛先の流れが数ミリ変わったところで、誰も気がつかない。
そもそも、見せたい相手が側にいない。

それでも、ちょっとでもかわいい、と思ってもらいたくて・・・。


・・・おかしくないか?
かわいい。と思われたいだって。

今まで洋服にはまったり、髪型を弄ることはあったけれど。
特定の誰かに対して意識するお洒落、というのは初めてだった。


もしかして、好き。
なのかな?

自分で自分の考えていることがわからないこの未知なる感情。

ドキドキなのか、ワクワクなのか、苦しいのか、悲しいのか。


よくわからないけれど、ただ一人のことで頭がいっぱいになってしまう。

こんな感情、ぼくは、知らない。