月と檸檬（Ｍ）①

あれ？？

あれれ？？

なんだか、心がすうすうする。
おかっしいなあ。最近は雨ばかりで、湿度不快指数１２０％！って感じなのに。

テニミュのドリライが終って、正式に卒業して、いつもの日常がやってきた。
単位をとらないと卒業できないから、レポート三昧の毎日。

卒業って、こんな感じだったっけ？？

中学を卒業したとき、友達と離れるのは確かに寂しかった。
でも、新しい世界への期待のほうが大きくて、すうすう、なんて感じたことはなかった。

・・・・やりきった！という満足感いっぱいで、卒業したのに。
どうして、すうすうするのだろう？


「・・・寂しいな。」

数学の公式に煮詰まって、シャープペンをくるくると回していると、ふと漏れた。

・・・あ、寂しいんだ。
ぼんやりと真っ白なままのノートを眺めていると、ぼんやりと誰かの笑顔が浮かんでくる。

「部長、どうしてるかなあ・・・。」

・・・あれ？どうして、部長限定？？
・・そっか。急に名前を聞かなくなったからだ。

テニミュの稽古中は、トヨとのシンクロがあったから、トヨと一緒にいることのほうが多かった。
だけど、「虹色～」で共演してから、みんなが「大ちゃんの彼女」だとか、からかってきて。

正直、反応に困ったけれど、みんなにかまい倒してもらってる居心地のよさ。
みたいなものを感じていた。
大ちゃんだって、「そうそう。まおは、恋人なんだよ。」
だから、あんまり困らせるなよ。って雰囲気で、かばってくれて。

恋人同士を演じた、と言っても、大ちゃんが友情の一部でしょう？
みたいなことをインタビューのたびに言ってるから、ぼくもあんまり意識せずにすんだ。
いままでどおり、テニミュの部長と菊丸に自然にすぐに戻れたんだ。


・・・だけど。


なーんか、さみしい。