「お前ら一線超えただろ~~!」

ぼくの心にざわり。と音がする。
メンバーの誰かが、ふざけてからかっているだけの言葉に。

テニミュの作品は、始まりにすぎない。
それぞれが、次なるステップを目指して色んな作品にチャレンジしている。

主役級を4代目が二人も射止めた。
祝福こそすれ、ざわり、とする要素なんてどこにもないのに。

なのに。

見詰め合っている二人を見ると、ざわざわと落ちつかなくなる。
「愛してるよ。タクミ。」
宣伝文句のキャッチコピー。ただの台詞。

みんなに囲まれてからかわれている大ちゃんとまお君。

「超えた。超えた。あ、でも変な意味じゃないからな。
ちゃんと愛情あっての・・・お前ら、エロ方面ばっかり想像すんなよ!」
「・・・////。」

いつもと変わらない笑顔でみんなの中心にいる大ちゃんと。
突っ込まれて、どうリアクションしたらいいのわからずに照れているまお君と。
あまりいじめんなよ。って感じで、さりげなくまお君を守るように肩を抱いているのを見て、
胸の奥がかっと妬けついた。

共演したら仲良くだってなるよね。

大ちゃんの隣はぼくの指定席。
一番仲良しで誰よりも近しい存在。

大丈夫。

ざわり。とする胸をなだめるようにさすりながら、稽古に戻った。
頑張っているぼくを、大ちゃんは好きでいてくれるから。

つまらないことで嫉妬するぐらいなら、今自分にできることをしよう。
もっと、もっと自分を磨こう。