普段はかけない伊達めがねをかけて、カメラの前に立つ。

その瞬間から俺は、怜悧な美貌の持ち主の崎義一になるーーー。

とは、いかなくて。


「ちょっと、渡辺君にやけないでください。」
「はい。すみません。」

そんなこと言われても、コントロール不可能なんだよっ。この頬の筋肉はっ!

まおが隣でタクミになりきって可愛らしく微笑んでいるから。
照れてしまうような、小動物を見るときに可愛らしすぎてくすぐったくなるような。

「くっそ!なんでお前はそんなにかわいいだっ!!」

プロたるものカメラの前に立つとだなあ。
って、余裕かまして、先輩ヅラしたかったのに。

どんなときもポーカーフェイスで感情を読ませないギイ、のカケラもなく
カメラの前でにやけっぱなしの緩みっぱなしのこの筋肉っ!!

自分に喝を入れるべきところが、思わず責任転嫁したくなる。


いやいや。
きっと、内心みんな思っているはず。

どーして、こんなに17~8歳というのは、食べごろなんだろう。と。


「渡辺君?」
「・・・あ。はい。すみません。」

ビシっ!と気を引き締めて、空色のブレザーをピシっと直す。
まずは、佇まいから。だっ!

・・・・ふにゃあ。


入れた気合は5秒ともたない。


頼むっ!!

瞬殺で俺のギイっぽい表情を切りとってくれ~~!!




-------------------------------

美貌~のスチール写真撮影より^^
大ちゃんが終始にやけっぱなしだったよなあ。と^^