「新しい入浴剤買ってきたのっ!」
「へえ。どんなの?」

まおの手には、ミルキーローズ。という文字とともに、優雅なバラの花が描かれている。

おおっ!
ミルキーでローズだぞっ!?
なんだか、テンションが上がるではないかっ!

薔薇の香りのするまおが、乳白色のお湯の中で恥ずかしげに頬を染めて、うっふん。あっはん。
なんて、流し目で俺を誘ってくれる。
まあ、そこまで王道な昭和な展開は期待していないけれど、
頬を染めらがら「一緒の残り香だね。」と、風呂上りに身体を拭きあいっこしながらいちゃいちゃ。ぐらいはあるだろう。

濁り湯のせいで、お互いの動きは見えないけれど、感覚だけで求め合い、きっと扇情的に違いない。
ふふふっ。
前を弄る指先に気をとられている間に、乳首をいじってやろうか。
それとも、背中やうなじに口づけてやろうか。

うっきうき。と鼻の下を伸ばしていると、

「じゃあ。先にはいってくるね。大ちゃんはDVDまだ途中でしょ?」

パタン。とバスルームへと続く扉が閉められる。

・・・・へ?

目が点。になるとはこういうことを言うのだろう。
しばし、展開についていけない。

はた、と正気に返って、まーーーおーーーーっ!!と心の中で叫んだ。

もはや、DVDの内容なんて、入ってきはしない。
頭の中は、ピンク色な妄想で占められてしまって、悲しいシーンだというのに画面だけが一方的に映像を垂れ流している。

暫くすると、風呂場からまおの声が聞こえてきた。

「だいちゃ~ん。」

おっ!なんだっ!?
やっぱり、一人でお風呂入るの寂しいから一緒に入ろ?とか??

うきうき。とスキップをしそうな足取りで風呂場に向かうと、湯煙の向こうから

「ボディーソープ切れてた。ごめんっ!確認せずで~。」
「いいよ。いいよ。」

持ってきてくれてたついでに、一緒に入ろ?ってお誘いだろ?

ボトルを渡して、
ちらり。と見えたまおの肌に鼻息を荒くしながら、自分のシャツに手をかけると、
「ありがとー。」と、また扉がパタン。と閉じられた。

ちょ。

その気にさせといて、お預けかよっ!?

「あ。だいちゃ~ん。」

ゲシッ!とドアを蹴りつけようとしたところで、ふたたび甘えた声が聞こえる。

「ん?なんだ?」

我ながら情けないとは思うけれど、このだいちゃ~ん。を聞いた瞬間にどんなに怒っていても、でれっとしてしまう。

「あひるさん忘れた~。今日天気がよかったから、ベランダに干しておいたんだよね。」
「・・・おう。そうか。」

今度こそ。きっとあひるちゃんを持っていけば、「ありがと~。一緒に入ろ?」と誘ってくれるに違いない。

いそいそと、北風吹きすさぶ中、ベランダの手摺に落ちないように洗濯ばさみで止められたあひるちゃんを抱えてまおのところに戻る。

「よしよし。寒かったなあ。」

一緒に住みはじめたころは、
あひるちゃんだとお?んな、恥ずかしいものと一緒に入れるかっ!
と、思っていたが、慣れとは恐ろしいもので、今ではなんだか我が子のように愛おしい。
・・・って、子供いねーから、わかんねーけど。

「わっ。つめたーいっ。ごめんねえ。忘れてて。寒かったねえ。」

受け取ったあひるちゃんを浴槽に浮かべながら、ご満悦のまおに、今度こそ!の期待を込める。

「あ。大ちゃんも寒いのにありがとお。」

パタン。と無情にも閉じられたドアに呆然とする。

・・・はっ!また、一瞬思考が止まってたっ!

----俺は、ついでかっ!!!

寒いのに、ありがとうね。
一緒に温まろ?じゃ、ないのかーっ!!!

我慢も限界だ、とばかりに、まおからのお誘いを待たずに、ぱぱっ!と服を全て脱ぎ捨て、
勢いよくドアを開ける。

「まおっ!!忘れ物っ!!」
「・・・え?」

きょとん、としているまおを前に、シャワーをざざっと浴びて、ドブンっ!と無理やり湯船に滑り込む。

「・・・なんだっけ?ボディーソープ?あひるちゃん?洗顔フォーム?はあったし・・・。」

未だに一番大切な忘れ物、が何かを気がついていない。

「ばーかっ。俺だろ?」
「ええっ!?」

後ろから抱き締めると、心底びっくりしたように、大きな瞳をぱちぱちと瞬きした。

「ほら。忘れ物は、いかが?」
「やっ。大ちゃんってば・・・///。」

耳元にささやきながら、まおの肌をまさぐる。
臍のくぼみをたどって、つ。と指先に触れたものが、ぴくん。と跳ね上がって俺の指を弾いた。


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ゆあちゃんと妄想(笑)第2弾!
入浴剤かってきたあ!からの展開を色々妄想///

あ。風呂上りのカッコイイまおのイラストと、あひるちゃんにのっかったカワイイ大ちゃんのイラストを描いてくれたの!!